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中国で、警察による拘束期間中に謎の死を遂げた男性が死後、病院で9日にわたって「救命措置」を講じられ、約30万元(日本円にして約600万円)という高額な治療費が生じたことがわかった。
死亡した男性(常濟淙さん)の遺体には首の締め跡など明らかな傷が確認できるとして、遺族は警察が拷問を行っていたのではないかと疑っている。
中国メディア「白鹿新聞」の報道(9月14日付)によると、2021年、北京出身のこの男性は、契約書問題や借金問題に関するもめごとの裁判で借金の支払いを命じられたが、期限内に全額返済できなかった。このことで、今年3月27日、男性は河南省鄭州市から北京にやってきた警察によって逮捕された。
逮捕の日、北京にやってきた鄭州市の派出所の副所長は、「私用」を言い訳に男性を食事に呼び出し、「調査に協力しろ」としていかなる書類もないのに、男性を鄭州に強制連行した。
男性の妻は逮捕した警察に対し、「夫は重い心臓病を患っており、毎日薬を飲まないと命が危ない」と繰り返し警告していた。それでも、警察は男性を北京から鄭州へ連行した。
逮捕の翌日、男性は不可解な死を遂げた。
逮捕の翌日、夫が薬を忘れていたことに気づいた男性の妻は、薬を届けに鄭州へ向かったが、飛行機や高速鉄道での移動を禁じられていたため、列車で向かうしかなかった。しかし、女性が鄭州に到着した日の夜、警察から「夫が病院で蘇生処置を受けている」ことを告げられた。女性が病院に駆け付けると、そこにはICUへ押し込まれた意識不明の夫の姿があった。
しかし、病院側が発行したカルテ記録によれば、男性は病院の救命措置を講じられる前にすでに死亡していたことになっている。しかも、その遺体が遺体安置所に送られた後の5日間において、22項目の「救急」および「治療」の費用が発生していたのだ。
女性は夫の遺体に「首に深い締められたような跡」、「背部に大規模なアザ」、「左足に傷」など多くの傷跡を確認しており、病院側のカルテにも「両手首にリング状の痕があった」と記録されている。
遺体に残された数々の傷跡について、女性は司法系統で働く知り合いに相談したところ、「これらの痕は彼が死ぬ前に拷問を受けたことを証明するものだ」と告げられた。しかし、鄭州の警察は「遺体の傷は蘇生過程で生じた可能性があると主張している。
夫の死後(4月9日)、女性の元に鄭州の警察から捏造された「拘留通知書」が届いた。そこには、「3月28日(病院カルテが示す男性が死亡した日)午後6時、男性は鄭州市第三看守所に移送され、拘留された」ことについて書かれていた。
「謎の死」、「警察による拷問の疑い」、「死後も続いた謎の救命措置と巨額な治療費請求」、「捏造された拘留通知書」など、この不可解な事件は中国メディアの報道などにより注目され、中国SNSでトレンド入りした。
ネット上には「警察による殺人だ」「恐ろしすぎる」といった嘆きが広がっている。
なお、中国の警察による拘束期間中に拷問されたと思われる被拘束者が、謎の死を遂げるケースは頻発している。
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