厚労省ワクチン分科会 レプリコンワクチンを含む5製品を了承

2024/09/20 更新: 2024/09/20

厚生労働省のワクチン分科会は19日、10月1日から始まる定期接種で使用する新型コロナウイルスワクチンについて、5製品の使用を了承した。

基礎疾患のある60~64歳の人と65歳以上の高齢者が対象となっている。

了承された5製品はオミクロン株の「JN・1」に対応しており、8月以降に薬事承認された。米ファイザーなど3社のmRNAワクチンと「Meiji Seikaファルマ」が開発したmRNAワクチンが細胞内で複製されるレプリコンワクチン、武田薬品工業の組み換えタンパクワクチンがある。

WHO(世界保健機関)や世界各国の保健当局は新型コロナ感染症に使用されたmRNAワクチンについて、一定の効果があったと評価した。厚生労働省の評価も、「新型コロナウイルス感染症にかかった場合の入院や死亡等の重症化予防効果が認められた」と報告した。

その一方、多数の予防接種を受け健康被害が発生した被害者に給付を行い救済する、予防接種健康被害救済制度において、2021年の接種開始から3年余りで8108件認定されている(9月13日時点)。

制度が開始された1977年2月から47年間ですべてのワクチンで発生した健康被害の認定数は3680件しかなく、認定死亡者数も既存のワクチンが158件に対し、新型コロナワクチンは818件と5倍以上の件数を上げている。しかし政府はワクチンとワクチン接種後の健康被害についての因果関係を明確には認めていない。

特に今回認定された5製品の中で、世界ではじめて日本で接種が開始される、mRNAが細胞内で複製されるレプリコンワクチンについては、既存のワクチンよりも少ない接種量でワクチンの効果が持続することが期待されている一方で、レプリコンワクチンが開発国や先行治験国で認可されていない事や、世界で初めて接種が開始されるということで、将来の安全性に関する問題を指摘する声が一部の医療関係者から上がっている。

 

 

大道修
社会からライフ記事まで幅広く扱っています。
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