「うちの子に「(中国共産)党に従え、両親の言うことを聞くな」と教えたのか!?」
小学生をもつある父親は、中国SNSウィーチャット(微信)の学校のグループチャット内で、「爆発」した。
「教師はウソをついている!」「子どもに洗脳をしている!」とこの父親はチャットに教師に宛てた怒りの音声ボイスを投稿し、その再生動画が華人圏で拡散されて物議を醸した。
以下がその父親が投稿した「声」の一部邦訳となる。
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「あんた(教師を指す)はクラス全員の前で『お前たちは家に帰ったら両親を信じないように。お前たちはこうして学校で学んでいるのは無償なんだ、(中国)共産党がお前たちを養い、無償の教育を与えたんだ。だから、家に帰っても両親の言うことを信じるな』と言っただろう!」
「これだと、今後子供は私の言うことを聞かなくなるじゃないか?」
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関連動画がSNSで拡散され、
「無償教育なんて真っ赤な嘘! 信じられない発言だ」
「背筋が凍った」
「子どもにそんな洗脳教育を受けさせたくない」
「党の言うこと聞いていたら、我が子が化け物になってしまう」
といった驚きと、不安の声が広がった。
洗脳教育
中国共産党は長期にわたって、幼稚園から子供たちに対する洗脳を行ってきた。小学生は「中国共産党の少先隊(6-14歳の子どもほぼ全員を対象)」への加入を求められ赤いスカーフの着用が義務付けられている。
中学生からは14歳ー28歳の青年層が加盟する共産党の下部組織「中国共産主義青年団(共青団)」への入団を義務付けられ、大人になっても政府機構に就職したければ中国共産党に入党し、「党に命を捧げる」ことを誓わなければならない。
このような当局による洗脳教育に嫌悪感を抱く市民も多く、「長期にわたって嘘の中で生きてきた子どもたちが、自分で考える能力が失われてしまうのではないか」と危惧する保護者も少なくない。
小さい時から「権力の味」を知る子供たち
カメラに対し、「私は〇〇委員だ、私のいうことを聞かなければどうなるかわかってるか?」などといかにも偉そうに、そして自信満々に圧をかける小学生たちの動画がこれだ。
(「官職」の権威に味をしめた中国の小学生)
中国の学校では「成績が良いから」「先生の言うことをよく聞くから」「家庭背景が良いから」、なかには、「先生や学校にチップ(端的にいえば賄賂)をよく渡してくれるから」といった理由から、学生が教師から「クラス長」や何らかの委員などの「役職」を与えられる。
子どもたちは幼くして、そうした「官職」がもたらす権力の味をしめると、どうなるのか。想像しただけでゾッとする。
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