社会問題 土地収奪めぐり 村民側の大勝利!

【動画あり】中国で「官民大戦」 村民が警察を撃退 

2024/09/26 更新: 2024/09/26

今月23日早朝、山東省済南市にある村「王爐村」で激しい官民大戦が繰り広げられたことがわかった。

きっかけは「土地徴用に伴う強制的な家屋取り壊し」をめぐるもので、現地警察は反抗する村民を鎮圧すべく、唐辛子水入りの放水砲を発射した。いっぽう、村民たちはシャベルなどを武器に当局者と対峙し、火炎瓶を投げ、花火を発射するなどしてやり合った。

 

現場の様子(SNSより)

 

「戦闘」の末、村民は警察を撃退することに成功したと伝えられている。

「官民大戦」の様子を映した動画がSNSでも拡散され、取り壊しを強行する当局に立ち向かった「王爐村」の村民を声援する声が中国全土から、ひいては世界中から寄せられたという。

「ついに内戦が始まった!」 「済南の役が始まった」「本当によくやった!」「今後、人民が勝利することが多くなるだろう」

 

(現場の様子①)

 

動画投稿者によると、今回の官民大戦のきっかけは、当局による都市村改造計画に伴う、村の家屋の取り壊しだ。当局から提示された補償があまりに少ないため、これに不満の村民は、権利擁護運動を開始し、当局の改造計画を妨害するようになったという。

 

(現場の様子②)

 

横行する土地収奪 奪うのは政府

中国では、地方政府による住民の土地の強制的な収奪が横行し、以前から大きな社会問題になっており、今も続いている。

表面上では「都市再開発」などをうたっているが、実際には「巨額の借金の穴埋め」のために、土地を取り上げて売りさばいており、巷からは「儲けたいだけではないか」という疑問の声もあがっている。

土地を収奪される住民に対して、政府側が雇った取り壊し隊などが殴打、嫌がらせ、留置などの暴虐な手段がよく用いられ、立ち退きを拒否する住民が、焼身自殺をして抗議するケースも出てきている。

立ち退き被害者は、訴えようにも訴える場所がなく、泣き寝入りするしかない。なかには、地域の陳情局へ陳情する被害者もいるが、その場合、住民の話を聞いて対応するどころか、かえって現地政府の弾圧対象にされ、子孫の代まで苦しめられるという。

こうした強制的な土地収奪に対して、近年、市民が反抗するケースも相次いでいる。先月には「強制立ち退き」被害者が地方役人を刺殺する事件が起き、7月には遼寧省の建設現場で「強制取り壊し隊」が市民の車によって轢かれる事件も起きた。

 

イメージ画像。取り壊される上海黄浦区老西門街区( HECTOR RETAMAL/AFP via Getty Images)

 

李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!
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