11月25日、中国河南省・鄭州市(ていしゅう‐し)恵済区の区政府を数百の村民が取り囲んで抗議する事件が起きた。
抗議の原因は、都市再開発に伴う「土地徴用・家宅取壊し」の補償金をめぐる問題だ。
自宅を壊され、土地を徴用された村民たちは補償金を現金ではなく新たに不動産を購入する際に使用できる金券を渡されたことに不満で、「金券ではなく、現金の支払い」を求めているのだ。
この日区政府を取り囲んだ村民は約200人、しかし、現地政府は特殊警察(武装)を呼んで、村民を強制的に鎮圧した。その際には殴り合いにもなったが、抗議しても結局この問題は解決していないという。
村民たちは本来、土地徴収後の移行期間中の「住居費用」として、1人毎月800元(約1万6千円)をもらえずはずだったが、過去3年はもらっていないという。
(当時の様子)
エポックタイムズの取材に応じた村民・方さんによると、自分を含む村民たちが金券を嫌がる理由は、金券額面と実際の不動産市場の価格との差にあるという。
「土地徴収では1人あたり90平方メートルをもらえるという約束であったため、うちは4人家族で総面積360平方メートルの家を代わりにもらうはずだった」
「しかし、実際にもらったのは140平方メートルの家だ。残りの220平方メートルは金券の形で支払われた」
「しかし、金券の額面は1平方メートルあたり6300元(約13万円)となっている。鄭州市の現在の不動産の平均価格は1万元(約20万円)以上、村の再開発したマンションに至っては1平方メートル1万7千元(約37万円)もする。金券で新たに家を買えば、額面と実際価格の差を自腹で支払わないといけなくなる」と方さんは説明した。
「今は、お金を稼ぐのが本当に難しい、差額など払える能力は全くない」と困り果てた方さんは、「金券ではなく現金で支払ってほしい、新たに家を買うかどうかは、自分たちで決めたい」と訴えている。
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