岩屋毅外相は9日、就任後初めて中共の王毅外交部長と約45分間電話会談。中国広東省深センで発生した日本人男児刺殺事件に関する早期の事実解明を要請し、中共軍による軍事活動について懸念を表明した。
岩屋氏が事件に関する事実解明を求めるも、王毅外相からは事件に関する詳しい説明はなかったという。
先月18日、日本人学校に通う10歳の男子児童(10歳)が登校中に刃物を持った男(44歳)に襲われた。男児は地元の病院に搬送された後、19日未明に死亡が確認された。犯行の動機は不明で、日本側が情報共有を求めても、中共側は求めに応じていない。
事件が起きた日が満州事変の契機となった柳条湖事件の日と重なるため、日本人に対する憎悪による犯行と疑われている。
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また、6月には江蘇省蘇州市で日本人学校が利用するバスを襲撃した犯人から日本人の母子を守ろうとした中国人女性が死亡した。
岩屋氏は、中共軍の「活動活発化への深刻な懸念」を伝え、8月に起きた中共軍機による初の領空侵犯についても説明を求めた。
また、台湾に関しても「軍事情勢を含む動向を注視している」と強調した。
中共軍の動向をめぐっては、8月に中共軍の軍用機「Y-9」情報収集機1機が長崎県五島市の男女群島沖の日本の領空に一時的に侵入したほか、9月中旬に海軍の空母「遼寧」が沖縄県の与那国島の南東を航行し、初めて日本の接続水域に入った。中共海軍の空母が日本の接続水域を航行したのは初めて。
また、中共外交部は25日、訓練用の模擬弾頭を搭載したICBM 1発を発射し太平洋の公海上に着弾させたと発表した。
また、両外相は東京電力福島第1原発の処理水海洋放出についても意見を交換。岩屋氏は日本産水産物輸入の早期回復を要求した。
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