10月11日、ブリンケン米国務長官がラオスで開催されたASEANサミットでの記者会見で、頼清徳台湾総統の国慶節の演説を受けて、中国共産党(中共)に対し台湾に対する挑発行動を控えるよう強く警告した。
頼清徳総統はこの演説で台湾の主権と独立を強調し、国際社会に台湾が地域の平和と安定に貢献していることを訴えた。
頼清徳総統は台湾の国慶節である双十節で演説し、「中共は台湾を代表する権利がない」と強調し、「台湾の主権は侵害されるべきではない」と述べた。また、国際社会に対しても、台湾は「台湾海峡の平和と安定を維持する努力を変えない」と明言しつつ、「両岸の対等な尊厳を望む」と伝えた。
頼総統 民主、自由、人権の生活様式の維持を呼びかけ
頼清徳総統は、まず全ての国民を代表して中華民国113歳の誕生日を祝った。総統は国運の隆昌、四季の平安を祈り、立春・立夏・立秋・立冬・春分・秋分・夏至・冬至の八節はいずれも慶事であり、全国の人々が平安で健康であることなど幸福を祈った。また、現場にいる全てのゲストや台北市民に、今夜の素晴らしいパフォーマンスを楽しみ祝おう述べた。
また「国慶節に関するさまざまな祝賀行事を行う際には、その最も重要な意味を忘れてはいけない。我々は主権の独立した国であり、常に中華民国を愛し、先人たちの精神を学び、犠牲と貢献を無駄にせず、主権を守るために団結し、民主、自由、人権の生活様式を維持することが、長年の犠牲と貢献を無駄にしない唯一の方法である」と述べた。
賴総統の発言は中共から厳しい批判を受けた。中共外交部の毛寧報道官は、頼清徳総統の発言は両岸の歴史的な結びつきを意図的に断ち切るものであると指摘した。毛報道官は頼総統を「頑固不屈」とし、「台湾海峡の緊張を高める」と非難した。
台湾の大統領の発言は中共の台湾周辺での軍事活動を激化させ、大規模な軍事演習を行う可能性があると考えられている。
ブリンケン長官が中共に警告
これに対して、ブリンケン国務長官は11日の記者会見で、台湾問題に関して、ほぼすべてのASEAN諸国は台海地域全体の「平和と安定を維持すること」を強く望んでいると警告した。ブリンケン国務長官は頼総統の国慶節の演説は定期的な行事であり、「中共はこれを挑発行動の口実として利用すべきではない」と述べた。
ブリンケン長官はまた、アメリカや他の多くの国々が台湾海峡の現状を維持することを強く望んでおり、どちら側も現状を損なう可能性のある行動をとるべきではないと強調した。
ブリンケン長官は「毎日、世界の商業コンテナ輸送の50%が台湾海峡を通過している。また、世界が必要とする高性能半導体の70%以上が台湾で生産されている」と述べた。
台湾海峡の平和と安定を維持し、現状を保ち、世界経済に影響を与える可能性のある衝突を避けることは、各国の利益に合致している。
ブリンケン長官は「私たちは南シナ海と東シナ海における航行と飛行の自由を維持することの重要性、そして台湾海峡の平和と安定を守る必要性を引き続き強調する」と述べた。
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