臓器狩り暴露に人生を捧げた人権弁護士デービッド・マタス氏の生涯 ドキュメンタリー「正義のハンター」がカナダで初上映 

2024/10/29 更新: 2024/10/29

ドキュメンタリー『正義のハンター』(The Justice Hunter)がカナダのトロントで初上映され、多くの著名人が集まり支持を表明した。人権弁護士デイビッド・マタス氏に敬意を表し、彼の人権への貢献と正義を追求する精神を称賛し、さらに多くの人々が、中共による生きた人間からの臓器摘出を止めるための行動に、参加することを期待している。

ドキュメンタリー『正義のハンター』は、国際人権弁護士デイビッド・マタス(David Matas)氏がナチスや中共(中国共産党)などの独裁政権の残虐行為を暴露し、迫害を受けた人々のために正義を求めて戦った人生を記録している。劇場は満席で、多くの参加者がマタス氏の人権活動に敬意を表した。

監督のヨランダ・パピーニ=ポロック氏は、「彼は、素晴らしい人権弁護士であり、人権へのコミットメントは無限だ。彼は、心からこの仕事を成し遂げた。この映画を通して見て、彼がこの問題を明らかにするために必要だった仕事を深く理解した。マタス氏の仕事は、人々の認識を高めるために、非常に重要だ」と述べた。

この映画は、マタス氏が中共による法輪功学習者の臓器の生きている人体からの摘出に関する調査に焦点を当てており、数十年にわたり中共の迫害を勇敢に暴露してきた。初上映は法輪功人権団体によって主催され、多くの法輪功学習者がイベントでマタス氏に感謝の意を表した。

国際人権弁護士マタス氏は、「中共の警察から電話がかかり、あなたの行動は命を危険にさらす。怖くないのか?」と尋ねられたと語った。

著名な人権弁護士デイビッド・キルガー氏の妻、ローラ・スコット・キルガー氏は、「彼らは、17年間共に努力してきたが、マタス氏は今もその活動を続けている。リスクを取って、他の人が行きたがらない場所に踏み出す勇気を持つ人々には、私たちは、どれだけ感謝してもしきれない」と述べている。

退職弁護士ゲリー・ポズナー氏は、「これは深刻な映画であり、重要なテーマを扱っている。また、重要な事業に生涯を捧げた人の作品でもある。彼はこの活動を決して終わらせないと思う」と語っている。

2010年、マタス氏は、故カナダの政治家であり、元アジア太平洋担当大臣のデイビッド・キルガー氏と共に、中共による法輪功学習者や良心の囚人の臓器摘出を調査した功績により、ノーベル平和賞にノミネートされた。

著名な人権弁護士デイビッド・キルガー氏の妻、ローラ・スコット・キルガー氏は次のように述べている。

「夫が亡くなった週に、私は世界中の法輪功団体からのメールを受け取り始めた。彼らは二人のデイビッド(マタス氏とキルガー氏)が訪問した際の経験を詳しく説明してくれた。これは単なる物語や人権問題ではなく、沈黙を破り、より多くの物語が聞かれるようにすることなのだ」

中共による法輪功学習者の臓器摘出に関する重要な調査報告が二つ発表され、その指摘が確認された。また、『中国臓器狩り』(Bloody Harvest)という書籍も出版され、中共が法輪功学習者の臓器を大規模に摘出している犯罪について、詳細に暴露している。

外科医教授のジェイコブ・ラヴィー氏は、「この問題は2005年に始まった。当時、私の患者が言った。『先生、私の保険会社が中国に行くように言っていて、二週間後に心臓移植手術を受ける手配をしてくれた』私は彼に、『自分の言っていることを理解しているのか? どうして誰かが事前に、心臓移植を約束できるのか?』と尋ねた。心臓移植手術は、その日に誰かが亡くならなければならず、事前に手術を手配することは不可能だ。彼は『わからない、私の保険会社がそう言ったのだ』と答えた。結局、患者は中国に行き、約束の日に心臓移植手術を受けたそうだ」

ヨランダ・パピーニ=ポロック監督は、「これは本当に恐ろしいことで、前例のない邪悪な事だ。私たちはこれまで見たことがなく、理解したこともない。信じがたいことだが、確かに中国では現実に起こっていることだ」

中共による法輪功学習者の臓器摘出に関する犯罪は、国際社会から強い非難を受けている。

法輪功学習者は「真、善、忍」の原則に従い、自己向上を求めているだけなのに、25年間にわたって迫害を受け、それに抵抗し続けている。

法輪大法は現在、110以上の国と地域に広がっている。

国際社会は様々な手段で生体臓器摘出を阻止し、独裁に反対する声が高まっている。

マタス氏は次のように述べている。

「関連する法律がある国でも、海外でのこの種の犯罪を禁止しているものの、臓器移植旅行に関する強制的な報告制度は、残念ながら存在しない。

これにより、医療専門家は患者が中国での臓器移植旅行に関与している場合に、報告する義務がなくなる。

そのため、法執行機関は個々のケースの状況を把握できない。

法律が効果的に機能するためには、法執行システムの改善が必要だ」

ヨランダ・パピーニ=ポロック氏は、「カナダ政府が本当に行動を起こし、中国や他の未審査の国々での臓器移植を許可しないことを望んでいる」と述べている。

正義を追求する中で多くの困難や挑戦に直面しても、国際人権弁護士のマタス氏は、人権のために不屈の努力を続けるべきだと強調している。

デイビッド・マタス氏は次のように述べている:
「私の職業人生の中で、正義を追求し、大規模な暴力行為を暴露する結果は、今のところわずかだ。それでも、私は努力を続けるが、ここにいる皆さんや、正義を信じる他の人々と共にこの旅を完遂できることを願っている」

関連特集: 人権問題