9月以来中国広東省で「デング熱」が感染拡大しているが、当局は感染実態を「隠蔽」している。
病院は患者で溢れかえっており、病床にもありつけない現状だと地元民はいう。
いっぽう、当局が公表する感染者数(死者ゼロ)をめぐっては民間からは「絶対嘘!」と反発の声も多く上がっている。
民間の声「当局はまたも感染実態を隠蔽」
広東省疾病予防コントロールセンター(CDC)は10月26日、「10月14~20日の期間中、全省におけるデング熱感染患者(新規)は2029人、死亡例はない」と公表した。
なお、その前の週は2005人、そのさらに前の週は1770人とされている。
しかし、この当局の公表した数字に「不信感」を示す現地民は多い。
「絶対嘘!」
「人口の60%は感染している」
「本当はもっとひどい状況なのに」
「実際に自分の身の回りで、何人もデング熱で死んでるのに、死者ゼロって絶対嘘だろう!」
といった非難が殺到している。
「いまではデング熱の検査をしてくれないし、デング熱と感染確認の場合でも、口頭で告げられるだけで書類記載はない」
また「自分で検査キット買って検査する人や個人病院で診察受けた人の数は、公式統計に含まれていない」現状があると、多くの現地の人々が口をそろえる。
現地の医療関係者も「感染状況はかなり深刻、病床はない、病院内感染症も広がっている」と明かしている。
中国の場合、中共(中国共産党)政府をはじめ、病院や学校など各種公的組織が出すデータや声明ほどあてにならないことは常識である。安定維持や政権安定が最優先で、その次にくるのは利益、庶民の健康問題や経済的損失などどこまでも後回しにされる。
それでも、広東省CDCによる「過少報告疑惑が濃厚な」これら公式な感染者数データからもわかるように、デング熱の感染者数は間違いなく増加傾向にあり、現在現地へ行くのは危険だ。
なお、デング熱は、蚊に刺されることによってデングウイルスに感染する疾患で、急な発熱、発疹、頭痛、関節痛、吐き気や嘔吐などの症状を発症する。ほとんどの感染者は1~2週間で好転するが、一部の感染者は重症化し、死亡するケースもある。
現在のところ、デング熱に対する特効薬はなく、治療は症状に応じた対症療法が基本となっている。 脱水予防として、経口による水分補給や点滴での補液が重要となるという。
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