4日午前8時過ぎ、中国遼寧省瀋陽市にある有名な「朝市場(小河沿早市)」に自動車が突入し、市民を次から次へと轢く事件が起きた。
現地当局の発表によれば、運転手の男(李、27歳)はすでに逮捕されている。容疑者は飲酒・薬物使用の可能性はなく、車の操作を誤ったことによる「交通事故」ということになっている。
また被害については、13人が病院送りになったがいずれも命に危険はないという。
しかし、中国共産党当局は、災害や社会報復など社会の不安を引き起こしかねない事故や事件が起きるたびに一貫して被害情報の隠蔽を行い、過少報告する傾向があるため、今回の事件による実際の死傷者数も、公式発表をはるか上回る可能性がある。
ネットに投稿された現場映像のなかには、パニックになって悲鳴を上げる市民の姿、地面に倒れる被害者の姿など、凄惨な光景が映し出されている。
「多く人が轢かれた」「こいつは社会報復をしている」「あいつをぶん殴れ!」とする現場市民の怒りの声も動画に入っている。
目撃者によると、暴走した車の運転手の男は、最初は下車を拒否していたという。そこで怒った露店商たちは、鉄の棒で車の窓ガラス目掛けて何度も叩き、車から運転手を降ろし男性市民数人が取り押さた。周囲からは「こいつを殴れ!」といった叫び声がするなか、運転手を殴る市民もいたが、運転手のほうは反撃していたという。
中国メディアが、朝市での露店商の話を引用して報じたところによれば、「事故」が起きたのは朝市の一番混雑する時間帯で、あまりに突然過ぎる出来事だったため、何かにぶつかる大きな音がするまで誰も異変に気づかなかったという。
当局が「交通事故」と主張するこの「事件」について、「絶対社会報復だ」と考える市民も多い。
中国のSNSでは何とも言えない嘆きが広がっている。
「国じゅうに市民を無差別に轢き殺す暴走車事件が起きている、社会に報復したいならなぜ政府に立ち向かわず無関係な人を傷つけるのか?」
「中国社会では車を武器として、報復ブームが巻き起こっているようだ」
「こういう事件というのは、たいてい後続の報道はない」
中国ではこのような自動車を凶器にして無差別に暴走させ、そして、無関係で罪のない歩行者などを襲撃する。「社会報復」を意図したかのように思える凶悪事件が後を絶たない。
(現場の様子)
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。