社会問題 現場に(収納済み)遺体袋、しかし公式発表では死者ゼロ?

【動画あり】中国でまた社会報復か 市場へ「暴走車」突入 死傷者多数

2024/11/12 更新: 2024/11/12

【閲覧注意】本記事には、残虐な映像や画像があります。ご注意ください。

10日午前8時30分過ぎ、中国広東省開平市の市場の露店に猛スピードの自動車が突入し、大勢の市民が轢れる事件が起きた。

ネットに投稿された現場映像のなかには、負傷し倒れて動かなくなった複数の市民の姿、道端に転がる遺体袋(被害者収納済み)など凄惨な光景が映し出されている。現場には市民による撮影を阻止しようと叫ぶ公安の姿もあった。

しかし、現地当局の発表では死者はおらず、負傷者は8人となっている。

 

(現場の様子、道端に置かれた遺体袋や当局による声明など)

 

中国共産党当局は、災害や社会報復など社会の不安を引き起こしかねない事故や事件が起きるたびに一貫して被害情報の隠ぺいを行い、過少報告する傾向があるため、今回の事件による実際の死傷者数も、公式発表をはるか上回る可能性がある。

また、原因については、公式発表では車の操作を誤ったことによる「交通事故」ということになっているが「絶対社会報復だ」と考える市民も多い。

運転手の男(蔡、25歳)はすでに逮捕されており、当局によれば、事件の後、容疑者は車を止め、自ら110番通報している。また、容疑者には飲酒・薬物使用の可能性はないという。

 

(現場の様子。2024年11月10日、中国広東省開平市)

 

1週間前にも

中国では近年、このような自動車を凶器にして無差別に暴走させ、無関係で罪のない歩行者などを襲撃する、「社会報復」を意図したかのように思える凶悪事件が後を絶たない。

1週間前の4日にも遼寧省瀋陽市にある有名な「朝市場(小河沿早市)」でも同様の「事件」が起きている。こちらでも、容疑者の男(李、27歳)は飲酒・薬物使用の可能性はなく、車の操作を誤ったことによる「交通事故」ということになっている(公式発表)。また被害については、13人が病院送りになったがいずれも命の危険はないという。 しかし、世論は普遍的に「社会報復」と考えている。

 

中国遼寧省瀋陽市にある有名な「朝市場(小河沿早市)」、2024年11月4日(動画よりスクリーンショット)

 

社会報復事件がおこるたび、華人圏のSNSでは何とも言えない嘆きが広がる。「こういう事件というのは、たいてい後続の報道はない」とった嘆きと共に、「社会に報復したいならなぜ政府に立ち向かわないのか!」とった怒りの声も多く寄せられた。

李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!
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