中国 人をはね制止を振り切り警察車両にも衝突 社会報復を疑う声

中国で止まらない無差別暴走車 =広東省

2026/01/25 更新: 2026/01/25

そう、またである。
中国の街で、また暴走車の映像が流れ出た。何度この手の記事を書いてきたのか、記者自身も分からなくなる。いつからか、これが「珍しくない出来事」になってしまった。

中国のネット上では、いつしか「人ごみを避けよう」「にぎやかな場所ほど危ない」といった呼びかけが交わされるようになった。誰かが公式に教えたわけではない。度重なる事件を目の当たりにし人々が自ら学び取った、血の教訓とも言うべきものだ。

その「また」が、今度は広東省で起きた。
2026年1月19日夜、広東省・中山市で、白い中型トラックが市街地を暴走し、人や車を次々とはねた。現場の映像は中国国内で急速に削除されたが、海外のSNSには複数の動画が残り、異様な光景が伝えられている。

映像では、トラックが街中を横切るように走り、歩行者やバイク、車に次々と衝突する。倒れる人。逃げ惑う人。それでも車は止まらない。逆走して電動バイクをはね、いったん後退し、再び加速して倒れた人に突っ込む。現場には悲鳴と怒号が響く。

やがて一般車両と警察車両が進路を塞ぐが、トラックは制止を振り切り、警察車両にもぶつかり、ぶつかり、なお逃げようとする。

最終的に、怒りが限界に達した市民が車に詰め寄り、窓ガラスを割り、運転手を力ずくで車外へ引きずり出した。

路上には、動かないまま横たわる人の姿が残った。事件は当日夜7時から8時ごろにかけて起きたとされ、運転手はその後、拘束されたという。

これら一連の行動は、単なる交通事故や追突後の逃走では説明しにくい。無差別に人をはね、制止を振り切って暴走を続けた様子から、中国のネット上では「社会への不満が背景にある社会報復ではないか」との見方が相次いだ。

一方、当局は運転手を拘束し負傷者が出たことを発表したものの、動機や背景についての詳しい説明はない。中国では過去にも、同様の事件が「事故」や「個人的問題」として処理され、社会的背景が語られないまま終わってきた例が少なくない。

その積み重ねが、「また何かを隠しているのではないか」という疑念を生んできた。今回も、真相が十分に語られないまま幕引きが図られるのではないか。

人々は理由を知らされないまま、次の暴走に備えるしかない。

李凌
中国出身で、日本に帰化したエポックタイムズ記者。中国関連報道を担当。大学で経済学を専攻し、中国社会・経済・人権問題を中心に取材・執筆を行う。真実と伝統を大切に、中国の真実の姿を、ありのままに、わかりやすく伝えます!
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