「働いたぶんのお給料を払ってください!」
こうした光景はいまの中国全土で毎日のように繰り返されており、もはや「日常」にすらなっている。
生活に困窮する労働者たちは、あの手この手を使って抗議をする。
我慢の限界を超えた労働者のなかには、「給料を払わない」雇用主を殺害するケースも各地で起きている。
今月22日も中国河南省・鄭州市(ていしゅうし)の建築現場で殺人事件が起きた。
加害者は、建築現場で働く農村からの出稼ぎ労働者で給料の支払いを求めていた。殺害されたのは李鑫氏で工事を管理する立場だった。
SNS上には、殺害された李氏の遺族による抗議の動画が投稿されている。その中では、遺族が殺害現場となった建築現場に作った仮設の霊棚で泣き崩れていた。
(殺害現場で抗議する遺族)
殺害された責任者は工事費を滞納され支払いできなかった
遺族は「鄭州一建(鄭州第一建設グループ有限公司)」から李氏の工事班へ約200万元(約4150万円)にも及ぶ工事費が支払われていなかったために、李鑫氏は賃金を支払う事が出来なかったとして、この事件は「鄭州一建」による滞納が原因だと主張している。
一方、大手建築企業「鄭州一建」は27日、「未払い給料の問題は存在しない、この件は飲酒後による殺人だ」と主張したという。
李氏には小学校生と中学生の子供2人とがんを患い入院中の父親がおり、事件後、遺族は「鄭州一建」に賃金の支払いおよび弁償を求めているが、「鄭州一建」は応じていない。
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