空に太陽が同時にたくさん現れる現象は俗に、「幻日(げんじつ)」と呼ばれ、自然現象の1種とされる。
しかし、中国唐代の有名な予言者・李淳風(りじゅんぷう) は「王朝滅亡を告げる凶兆だ」と予言しており、多くの中国の古書のなかにも同様の記述がみられる。
中国で相次ぐ「幻日」
過去1週間のうちに、中国の2か所で相次いで「3つの太陽」が観測された。
黒竜江省黒河市(こくがし)遜克県(そんこくけん)で12月3日、空に太陽が同時に3つも並んだ。
同様の現象は11月29日、内モンゴル自治区根河市でも観測されており、この現象は5時間近く続いたという。
「3つの太陽」は2020年12月29日(午前9時過ぎ)には北京市でも観測されていた。
ほかには「7つの太陽(2024年8月18日、四川省成都市)」や「2つの月(2024年8月18日、遼寧省瀋陽市)」、「赤い空」といった異常現象も各地で相次いで観測されており、
「幻日」をはじめ、相次ぐ異常現象について、時事評論家の唐靖遠氏は、「この王朝(政権)が終わりを迎えようとしていることを、天はこれら現象を通じて世の人や権力者に対する警告しているのだ」と評している。
中国古代では若い天文研究者の教科書としても使用された同国の史書「晋書-天文志 」のなかの「幻日」に関する記述は以下の通り。
「紀元314年1月、3つの太陽が西から東へ移動した。317年1月、3つの太陽は再度現れ、天頂に届くほどの白い虹もあった。占い師は『白い虹は兵乱の兆し、それと併せて3つの太陽が現れれば、3か月以内に諸侯による皇帝の位の争いが勃発する』と予言した」
すると、占い師の予言通り、3月になると本当に王位をめぐる天下の争いが始まった。
相次ぐ異常現象や古代からの言い伝え、そして近年荒む一方の社会環境のなかで、中国国内の民衆も「そろそろ時代が変わる」ことを言葉に出して口にしなくても、身でそう感じている人も少なくない。
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