中国 当局は「地震と無関係」と説明するも住民は疑念

中国・天津の道路に大量のカエル出現 「地震の前触れか」と不安広がる【動画あり】

2025/09/12 更新: 2025/09/12

中国・天津市で道路や草むらに大量のカエルが出現し、住民に衝撃を与えている。SNS上では「地震の前兆では」と不安の声が広がる一方、当局は「地震とは無関係」と説明。しかし、市民の疑念は収まっていない。

9月10日夜、天津市北辰区洛河道周辺で無数の小さなカエルが道路や歩道に群れをなして跳び回る様子が撮影され、SNSに投稿された。映像には道路や草地、レンガの隙間までカエルが埋め尽くす異様な光景が映し出され、視聴者からは「恐怖で鳥肌が立った」との声が相次いでいる。

この異様な光景は市内の複数地区でも確認されている。地元住民からは「自転車に乗れないほどカエルが多い」「夜は歩くのも怖い」といった不安の声が上がっている。
 

(現地の様子)

 

市民の間では「地震の前触れではないか」との恐怖が広がった。中国では古来より「地震の前にカエルが大量発生する」との言い伝えがあり、実際に1976年の唐山大地震や2008年の四川大地震の前にも同様の現象があったとの証言がSNSで拡散している。

中国古代では、蛙は水や湿気の象徴とされた。『礼記』や『春秋繁露』などでは、地震の原因を「陰陽の気が錯乱し、地下の水や湿気が騒ぐこと」と説明している。そのため、地震前に「水気に関わる生物(カエル・魚など)が異常に現れる」ことは、天地の気の異常の表れと解釈されていた。

11日、現地当局は「市民の通報を受け、清掃員が死んだカエルを片付けている」と説明した。しかし夜になると再び現れるため、対応に苦慮しているという。天津市地震局も現場調査を行い、「今回の現象は地震とは無関係」と発表したが、この即断に市民の不信感は拭えていない。

SNS上では「原因もわからないのに、なぜ地震と無関係と断言できるのか」「専門家が大丈夫と言うときこそ備えるべきだ」といった皮肉の声が相次いでいる。過去の大地震前に報告された「カエル大量発生」を引き合いに出す投稿も多く、当局への不信感は根強い。

ある市民は「地震局が『問題ない』と言ったなら、今こそ非常袋を用意するときだ」と語った。専門家への信頼を失ったことで、その言葉がかえって市民の危機感を強めている。

李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!
関連特集: 中国