社会問題 世界中の華人圏でひろがる「救雪(李宜雪さん)行動」

【動画あり】中国の精神病院を提訴して「失踪」した女性 再度「精神病院」に送られる=中国

2024/12/23 更新: 2024/12/23

「中国共産党当局は精神病院を利用して正常な人々を迫害している」

 

「(自分を閉じ込めた)江西省精神科病院では、患者を使って新薬を試し、男性医師は毎日のように女性患者に性的暴行を加えている……入院患者の半数以上は、公安によって送り込まれており、ほとんどが正常な人間だ」

 

ネットを通じて、そう訴えるのは中国江西省の27歳の女性・李宜雪(り ぎせつ)さん。

なお「被精神病」とは精神的疾患を患っていない正常な人間を「精神病だ」と断定して、その自由を奪う中共(中国共産党)当局のやりかたである。

李さんは2022年、自分にわいせつを働いた警官を通報したその日のうちに、警察署によって精神病院に無理やり入れられ、56日間閉じ込められて迫害を受けた経歴を持つ。

精神病院から出た後、精神病院を提訴し、精神病院の実態と当局の悪行を実名で告発してきた李さんが最近、再度「失踪」した。

李さんは失踪する前、SNSに投稿した動画のなかでSOSを発していた。

「(私は)毎日脅されている、彼らは昔のように、もう一度私を消せると言っている」

「警察署(江西省南昌市派出所)トップは十数人の男を引き連れて自分の家に押し入った。助けてください!」

これら元動画はまもなくして削除されたが、海外の華人圏では多くシェアされている。

李さんはさらに「私は李宜雪です、もし私が死んだら絶対に自殺ではありません、江西省精神病院と丁公路派出所によって殺されたはずです」という内容の「遺言」を残している。

彼女の「失踪」が伝えられると、世界中の華人圏で「李宜雪を探せ!」と呼びかける投稿にあふれた。

怒涛の世論のプレッシャーのもと、現地当局は22日、「李宜雪は社区(地域コミュニティ)によって精神病院に送られて、精神病だと診断された」とする公告を出した。

 

画像左は李宜雪さん。画像右は当局による公告(中国のネットより)

 

この知らせを知った華人圏では今度は「李宜雪を救え!(『救雪行動』あるいは『雪花行動』)」をよびかける運動が始まった。

中共当局にプレッシャーを与えようと、華人圏のインフルエンサーや人権団体は相次いで彼女に関する投稿を拡散しており、「彼女を解放せよ!」と呼びかける動画も多く拡散されている。

李宜雪が当局による弾圧に遭って再度精神病院に送られたことを憤慨する華人の1人、中国内モンゴル自治区政府の元法律顧問である杜文氏は自身のSNSに中共体制を糾弾する内容の動画を公開し、「雪花行動」を呼びかけている。

「世界中が呼びかけた、しかし彼女(李宜雪)を救えなかった。彼女はただ自分の権利を擁護したかっただけだ、それで何度も精神病院に監禁された。この政権(中共)はあまりにも邪悪過ぎる」ーー(杜文)。

(杜文氏による呼びかけ)

李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!
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