社会問題 「なぜ中国はこんな地獄のような世の中になってしまったのか」

「無差別殺傷」と「李宜雪」 2024年の中国の社会問題のホットワード

2025/01/01 更新: 2025/01/01

もちろん、正式な発表ではないし、中国共産党当局がそんな「真実」を公表する勇気はないだろう。

ネット民がまとめた2024年の中国の社会問題のホットワードは、「社会への報復」と「李宜雪」が上位だ。

無差別殺傷

「社会への報復」を目的とした関係のない市民を巻き込んだ暴走車などによる「無差別殺傷」事件は昨年、中国各地で起きた。

日本人学校のバス停での切りつけ(6月)、日本人学校の児童刺殺(9月)、少なくとも35人が死亡した広東省の暴走車事件(11月)などの事件は日本でも報じられたが、このようなのは氷山の一角でしかない。

中共の検閲にひっかかり、世に知られる前に「なかったことに」された事件も多くある。

2024年3月19日、北京、遼寧省瀋陽市、浙江省台州市で暴走車が市民を次々とはねる「事件」が起きた。(現場画像、SNS投稿動画よりスクリーンショット)
 

 

大規模な社会報復とまでいかなくても、「そんな些細なことでキレるのか?」といった目を疑うほどの取るに足らない「きっかけ」が引き起こす凶悪事件も頻発した。

例えば昨年10月、中国のとある火鍋店で食事をしていた妻が夫がずっと見ていた隣のテーブルの美女に向けて、沸騰した火鍋のスープをかけた。

 

何も悪くないのに突然隣のテーブルの食事客から沸騰した火鍋スープを体にかけられて絶叫して逃げる女性。(動画よりスクリーンショット)

 

現代中国の状態は本当にひどい。日本のテレビに映る「繁栄大国」などでは、決してない。

現代の中国では、「問題を解決したければ、世論に頼るしか道はない」が常識になりつつある。世論の注目を集められない場合、大抵は「どこへ訴えても相手にされない」という結末になる。しかし、世論から注目を得られたからといって、問題が必ず解決するというわけでもないというのも事実である。

「あの国はどうしてこうなってしまったのか」世界中の華人が心を痛め、「中国人に無神論を教え、道徳低下をもたらす中国共産党が存続する限り、中国が良くなることはない」と覚醒する中国人も増えている。

 

「李宜雪」

「李宜雪」とは、「中国共産党当局は精神病院を利用して正常な人々を迫害している」と実名で告発し、精神病院を提訴までした女性。

彼女は今、再度当局によって拉致され再度精神病院へ放り込まれている。

「李さんは脳の一部を切除する手術を受けさせられ、完全に廃人になった」とする情報が華人圏で拡散されており、「李宜雪を釈放せよ!」をよびかける運動が進行中だ。

昨年12月29日、中国中央テレビCCTVによる「韓国で起きた旅客機事故」の生放送中、同番組のライブ放送画面には「李宜雪を釈放せよ(釋放李宜雪)」のワードが一面に並んだ。

CCTVの番組だけではない。他の様々なライブ配信画面に同様の叫びがあふれている。

李さんの口を封じ、彼女の自由を今も奪い続ける当局に対する民間の怒りは凄まじく、「第二の白紙革命の呼び水になるかもしれない」とささやかれるほどにこの事件がもたらす波紋は広まり続けている。

画像は李宜雪さん(李さんのSNS投稿動画よりスクリーンショット)

 

李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!
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