チェイニー氏やファウチ氏にも バイデン大統領が予防的恩赦を検討か

2025/01/09 更新: 2025/01/09

1月5日のインタビューで、バイデン大統領は、予防的な恩赦を発令するかどうかを検討していることを認めた。この措置は、まだ起訴されていない罪に対する起訴を防ぐことを目的としている。これまでバイデン氏が発令してきた恩赦や、他の大統領が退任間際に行った恩赦とは異なる。

バイデン氏の任期終了が近づく中、この問題は注目を集めている。1月20日にはトランプ次期大統領が再び就任する。インタビューでは、米メディアUSA Today  のスーザン・ペイジ記者が、リズ・チェイニー元下院議員やアンソニー・ファウチ前国立アレルギー感染症研究所(NIAID)所長といった人物への事前恩赦が議論されていることを挙げ、バイデン氏に見解を求めた。

バイデン氏は2024年11月にホワイトハウスでトランプ氏会談した際、政治的報復を避けるよう助言したことを明かした。

「彼に対して、過去の問題に決着をつけようとする必要はなく、それは彼自身の利益にも反する行動だと伝えようとした」と当時の会話を振り返りながら、トランプ氏は具体的な反応を示さなかったと述べた。

インタビューでペイジ記者が「この問題についてまだ検討中なのですね?」と尋ねると、バイデン氏は「まあ、それは彼(トランプ氏)が誰をどの役職に就かせるかに多少左右される」と答えた。

トランプ氏の移行チームはコメント要請に応じなかった。チェイニー氏とファウチ氏の所属先にも問い合わせたが、返答はなかった。

バイデン氏は2024年後半、連邦銃器法違反で陪審員に有罪判決を受け、税金未納の罪を司法取引で認めていた息子のハンター・バイデン氏を恩赦した。その後、さらに39人を恩赦し、死刑囚37人を含む約1500人の刑期を減刑した。

予防恩赦の対象として名前が挙がっているのは、元国務長官のヒラリー・クリントン氏だ。クリントン氏は機密メールの不適切な取り扱いや、選挙運動でトランプ氏に反対する調査に資金を提供したとされている。クリントン氏の名前は、トランプ氏がFBI長官候補に指名したカシュ・パテル氏が作成したリストに含まれていた。パテル氏によると、このリストにはいわゆるディープステート(闇の国家)の関係者が含まれているという。

しかし、クリントン元大統領は2024年12月11日のテレビ出演で「妻への予防恩赦は発令すべきではない」と発言した。クリントン財団の広報担当者はコメントを控えた。

バイデン大統領は今月、2021年1月6日の連邦議会議事堂事件を調査した下院特別委員会の副議長を務めたリズ・チェイニー氏に、「大統領市民勲章」を授与した。バイデン氏は、式典で勲章を授与されたチェイニー氏と他の元政府関係者は「そのキャリアを民主主義に捧げた」と称え、「困難な時期にあっても、名誉と誠実さをもって職務を全うし、民主主義が機能するよう尽力してきた」と述べた。

メリーランド州に拠点を置く大紀元のシニアリポーター。主に米国と世界のニュースを担当。
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