中東秩序再編へ トランプ米大統領が「アブラハム合意」にイラン参加を提案

2026/05/27 更新: 2026/05/27

トランプ米大統領は25日、イランとの交渉が「順調に進展している」と述べ、中東諸国に対し、イスラエルとの関係正常化を目指す「アブラハム合意」への参加を強く促した。将来的にはイランも同合意に加える構想を示し、中東全体の安定化につなげたい考えを明らかにした。

トランプ氏は、米国とイランが戦争終結に向けた合意に至る前提として、サウジアラビアやカタールなど複数の中東諸国が「アブラハム合意」に参加すべきだと強調。「多くの指導者が、米・イラン合意が成立した場合、同合意への参加を歓迎する意向を示している」と語った。

また、参加候補国としてサウジアラビア、カタール、パキスタン、トルコ、エジプト、ヨルダンを列挙。米政府代表団に対し、関係国を「歴史的合意」に組み込むための手続きを直ちに開始するよう指示したという。

一方、関係筋によると、イランは凍結資産解除問題についてすでに米国と合意に達しており、双方は近く和平協定の締結を発表する可能性が高い。カタールを拠点とするテレビ局アルジャジーラに対し、関係者は「この重要問題の解決により、和平協定発表への環境が整った」と述べた。

イランメディアによれば、ガリバフ国会議長率いる代表団は25日、カタールで米イラン合意について協議を行った。

核問題を巡っては、トランプ氏が声明で、イラン保有の濃縮ウランについて「直ちに米国へ移送して廃棄するか、国際原子力機関(IAEA)の監督下で現地または第三国で廃棄すべきだ」と主張した。

米政府関係者によると、トランプ政権は最終合意に、イランが保有する約2000キログラムの濃縮ウラン全量を含めることを求めており、高濃縮ウラン約450キログラムのみを対象とする考えではないという。この問題は第2段階で協議される見通しだ。

また、双方が調整を進める覚書には、30日以内にホルムズ海峡での衝突を終結させ、航行制限を解除する内容が盛り込まれている。

ルビオ米国務長官は「大統領が述べた通り、拙速な合意は目指していない。悪い合意を結ぶことはない」と述べたうえで、「現実的かつ具体的な提案が提示されている。イラン側がホルムズ海峡の封鎖を解除し、核問題について明確な期限を伴う交渉を開始することも含まれている」と説明した。

こうした動きについて、一部ではトランプ氏が新たなイラン和平合意を通じ、イスラエルに追加的な政治的利益を与えようとしているとの見方も出ている。ただ、イスラエル当局者の一部は、ネタニヤフ首相が潜在的な米・イラン合意に懸念を抱いていると指摘している。

それでもトランプ氏は楽観姿勢を崩しておらず、「この合意は、すべての関係者に利益をもたらす偉大な合意となるか、あるいは合意が成立せず、さらに大規模で激しい戦火に戻るかのいずれかだ。誰もそのような事態は望んでいない」と述べた。

同日、トランプ氏はアーリントン国立墓地を訪問し、イラン戦争で戦死した米兵を追悼。「『エピックフューリー』作戦で13人の尊い命を失った。彼らは、世界最大のテロ支援国家が核兵器を保有できないよう命を捧げた」と語り、「イランが核兵器を持つことは決してない」と改めて強調した。

関連特集: 国際