アメリカ鉄鋼大手クリーブランド・クリフスのCEOが、USスチール買収をめぐって激しい日本批判を展開している。
クリフスのゴンカルベスCEOは会見で「日本は中国より悪い」と述べ、「日本が中国にダンピングや過剰生産の方法を教えた」と主張した。さらに、第二次世界大戦を引き合いに出し、「日本は1945年から何も学んでいない」とも発言した。日本の大手メディアやロイター通信、米CNBCなど、複数メディアが報じた。
一方で、日本製鉄はこれらの発言に対して「偏った固定観念」だと反論している。日本製鉄は、クリフスがこれまでも日本製鉄より低い金額で買収を進めようとしてきたとして、「日本製鉄の計画の範囲と規模に匹敵し得ない」と対抗姿勢を示した。
この対立の背景には、USスチール買収を巡る競争がある。米CNBCの報道によると、クリフスは同業のニューコアと連携し、USスチールの買収を目指す準備を進めているという。買収額は1株当たり30ドル台後半となる見通しで、これは日本製鉄の提案額1株当たり55ドルを下回っている。
USスチールはゴンカルベスCEOの発言に対して「アメリカの重要な同盟国である日本の人々に対する言葉による攻撃に非常に失望している」とコメントしている。
この状況は、アメリカの鉄鋼業界における国際的な競争と、企業買収を巡る複雑な駆け引きを浮き彫りにしている。日米の鉄鋼大手の対立が深まる中、今後の展開が注目される。
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