日本維新の会は3日、党内に新設するガバナンス委員会のメンバーとして、経済学者の竹中平蔵氏(73)と中央大学法科大学院教授の野村修也弁護士(62)らを起用する方針を明らかにした。同委員会は党運営の透明性向上や不祥事防止策を検討する目的で、吉村洋文代表(大阪府知事)が昨年12月に設置を提唱していた。
ガバナンス委員会では「党代表の任期・選出方法」「飲食費の基準策定」「政策決定プロセス」などについて第三者視点で議論を行う。竹中氏は小泉政権で経済財政政策担当大臣を務めた実務経験を持つ経済学者として、野村氏は企業統治(コーポレート・ガバナンス)の専門家としての知見が評価された。このほか政策コンサルティング会社の「政策工房」原英史代表(59)らもメンバー候補に名を連ねている。
岩谷良平幹事長は「1月中の立ち上げを目指していたが調整に時間を要した」と説明しつつ、「竹中氏以外の民間メンバー数名の承諾を得次第、近く正式発足させる」との見解を示した。委員会発足後は党大会(3月1日予定)までに具体的な提言を取りまとめる方針だ。
竹中氏は日本開発銀行時代に経済政策の基礎を築き、2001-2006年には国会議員として郵政民営化を推進。野村氏は中央大学で20年以上にわたり会社法を研究し、法制審議会委員として2006年会社法改正に関与した実績を持つ。両者とも政界と学界の双方に精通する点が起用理由とみられる。
委員会設置は「政党法」制定を見据えた組織改革の一環と位置付けられている。ただし、過去に竹中氏が関与した経済政策に対しては賛否両論があるため、党内外から客観性を問う声が上がる可能性も指摘されている。野村氏の専門分野であるコンプライアンス強化策が具体的にどのような形で反映されるかが注目点となる。
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