実質賃金1.2%減 2か月連続マイナス 物価上昇に賃金追いつかず

2025/04/07 更新: 2025/04/07

厚生労働省が2025年4月7日に公表した「毎月勤労統計調査」(速報値)によると、2025年2月の実質賃金は前年同月比で1.2%減少し、2か月連続でマイナスとなった。名目賃金は増加しているものの、物価上昇率がそれを上回り、実質的な購買力が低下している状況が続いている。

2月の現金給与総額(名目賃金)は、働く人1人当たり平均で28万9562円となり、前年同月比3.1%増加した。これにより名目賃金は38か月連続のプラスを記録している。しかし、消費者物価指数(持ち家の家賃換算分を除く総合)が前年同月比4.3%上昇したため、実質賃金は差し引きでマイナスとなった。

現金給与総額の内訳を見ると、基本給などに該当する所定内給与は26万1498円で前年同月比1.6%増加し、40か月連続でプラスを維持している。一方で残業代などの所定外給与は2.2%増加した。

物価高騰の影響は依然として深刻であり、新鮮食品やエネルギー価格の高止まりが実質賃金の減少を招いている。政府による電気・ガス代補助策が物価上昇率を若干緩和させたものの、依然として名目賃金の伸びを上回るインフレ率が続いている。

この統計結果は、全国約3万事業所を対象に行われた調査に基づいており、日本経済全体の動向を示す重要な指標となっている。物価高による生活への影響が長期化する中で、賃金政策や物価抑制策のさらなる強化が求められる状況だ。

エポックタイムズ記者。東京を拠点に活動。政治、経済、社会を担当。
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