社会問題 この時ばかりは難癖をつけられなかった。

間違えて送金してしまったお金 中国の銀行は返還に応じず

2025/02/06 更新: 2025/02/06

「間違えて送金してしまったお金を銀行は返してくれない」

このニュースが5日、中国検索エンジン最大手の「百度(バイドゥ)」のトレンド・トップに駆け上がった。中国メディアによれば、同国貴州省貴陽市に住む張さん(男性)はうっかり、振込先を間違えてしまった。誤って送金してしまった金額は2回合わせて計15万元(約320万円)である。

幸い、送金先は元同僚だった。さっそくその元同僚に連絡をとり、送金し間違えた旨を伝えると、「返すよ」というありがたい返事をもらった。

しかし、いざ元同僚の口座を調べると、そこには確かに張さんが間違えて振り込んだお金が入金されていた。しかし、元同僚が住宅ローンを滞納していたため、その口座にお金が入るとすぐに滞納分を差し引かれたそうだ。

元同僚には全額を張さんに返す能力はなかった。

困った張さんはまず警察に訴えてみた。しかし、解決できなかった。次は銀行にも掛け合ってみたが、銀行は返還に応じてくれない。

残された道は訴訟だが、それには時間もお金もかかるのだ。

そう、現代中国において問題解決したければ、メディアや世論に訴えることはかなり有効である。

そこで、張さんもメディアに訴え、世論に助けを求めた。

事件はなんとかトレンドトップになったが、それでも、今回の場合、銀行(「建設銀行貴陽城東支店」)側は、「この件については上に伝えた、結果待ちだ」としている。

関連ニュースに寄せられたコメントのなかで、最も印象に残ったのはこれだ。

「資金の安全をいつも言い訳にしている銀行、なぜこの時ばかりは『そのお金、どこから来たのか?』と聞かなかったのかね」

このコメントは現代中国の経済状況を如実に表している。

 

 

「そのお金、どこから来たのか?」

「そのお金、どこから来たのか? どこに使うのか? 振り込んだ人を同席させ、両者の関係の証明が必要」

この台詞は多くの中国の銀行が、顧客に預金を引き出させたくない時、中国の銀行が「詐欺防止」との口実で好んで使う常套手段の決め台詞だ。

日本で暮らす私たちにはとても理解しがたいことだが、近年、中国各地で、銀行(大手国有銀行も例外はない)から預金を下ろそうとすると、このように言われる。

ネット上には「銀行から預金を引き出そうとしたら、銀行から各種の難癖をつけられる」と怒りの声にあふれており、「詐欺防止など、実に良い口実を見つけたものだ、銀行にお金がないのだろう」と世論は冷ややかだ。



お金を引き出せない! 「そのお金、どっから来たのか? 証明して」と中国の銀行員

中国で銀行預金を引き出すのに「お金の出所」を証明しないといけない、詐欺防止というが、本当の狙いは?

 

これでも実質GDP成長率5.0%の目標は達成

中国の国内銀行が預金を引き出すのをここまで渋っている状況で、中国国家統計局は1月17日、2024年の実質GDP成長率を5.0%と発表した。政府目標の5.0%前後は達成したそうだ。ちなみにアメリカの2024年の実質GDP成長率は2.8%、わが日本にいたっては0.4%だ。

この数字と現実の乖離は何を示しているのだろうか。

李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!
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