米上院司法委 パテル氏のFBI長官指名承認 本会議へ

2025/02/14 更新: 2025/02/14

アメリカ上院司法委員会は2月13日、12対10でカシュ・パテル氏のFBI長官指名を承認し、上院本会議での審議への道を開いた。上院は早ければ来週にもこの指名を審議する見通しだ。

上院司法委員会のチャック・グラスリー委員長は、「パテル氏はそのキャリアを通じて正義のために尽力してきた人物だ。公選弁護人として国家権力に立ち向かう被告人を弁護し、議会スタッフとして法制度の政治的利用を調査した。また、重要な国家安全保障の職務を歴任し、アメリカ市民を外敵の脅威から守ってきた」と述べた。

さらにグラスリー氏は、「FBIは政治的偏向に侵され、武器化されてしまった。この問題を認識し、これを暴露し、改革を目指しているのがパテル氏だ。次期FBI長官にふさわしい人物だ」と強調した。

一方、民主党はパテル氏の過去の発言や行動に疑念を呈しており、2月初旬の指名承認公聴会後、FBI高官数名が辞職を表明したことにも懸念を示している。

上院民主党のディック・ダービン議員は、「パテル氏をFBI長官に任命することは、政治的な混乱を引き起こすだろう」と述べ、指名に反対の意向を示した。

民主党はまた、パテル氏が過去にトランプ氏の政敵による調査を題材にした児童向け書籍を執筆し、その中で「政府のギャング」と名指しした人物リストを公開した点を問題視している。

さらに、パテル氏が就任初日にFBI本部を「閉鎖」し、「ディープステートの博物館」にする計画を語ったことも指摘された。

これに対し、共和党は民主党側の疑念を一蹴しており、上院で共和党議員がほぼ全員一致してパテル氏を支持すると見られている。

パテル氏のこれまでの発言とスタンス

トランプ前大統領は昨年11月30日、FBI長官候補にパテル氏を指名した。

パテル氏は過去に、FBIがトランプ氏に対して行った「ロシア疑惑調査」を強く批判し、FBIの徹底的な改革と腐敗撲滅を訴えてきた。インタビューや声明を通じて、FBIの情報収集活動とその他の業務を切り離し、権限を大幅に制限する必要性を主張している。

昨年、パテル氏は「ショーン・ライアン・ショー」のインタビューで、「FBIのワシントンD.C.本部を閉鎖する」計画を明らかにし、「あの建物に勤務する7千人を移動させ、全米各地で犯罪者を追跡させる」と語った。

さらに、「我々は政府だけでなく、メディア内の共謀者も追及する」と述べた。

2020年の大統領選挙を念頭に、「米国民に嘘をついたメディア関係者を刑事・民事問わず追及する」との意向を示した。

パテル氏のFBI改革案や過激な発言が賛否を呼ぶ中、上院での指名承認の行方が注目されている。