米国 イスラエルへの軍事支援強化 イランの脅威に共同対処へ

2025/02/17 更新: 2025/02/17

米ルビオ国務長官は2月16日、イスラエルのネタニヤフ首相と会談し、イランの核開発阻止に向けた取り組みを強化する方針を確認した。

ネタニヤフ首相は会談後「非常に建設的な議論ができた。その中でも最も重要な課題はイラン問題だった」と述べた。

「イスラエルとアメリカは、イランの脅威に対して肩を並べて戦う。われわれは、イランが核兵器を保有することを阻止することで一致し、また、イランの地域における侵略行為を阻止する必要があるとの認識を共有した」と強調した。

ルビオ氏も、イランが中東地域の主な侵略者だと指摘した。

「テロ組織の背後には必ずイランがいる。暴力行為、地域の不安定化を招く活動、平和と安定を脅かすあらゆる事象の背後には、常にイランの存在がある」と述べた。

ネタニヤフ首相は、ハマスとの戦闘が始まって以来16カ月間にわたり、イスラエルがイランに「強力な打撃」を与えてきたと主張。その上で、「トランプ大統領の支援を受け、われわれはこの戦いを最後までやり遂げることができると確信している」と語った。

また、イランが支援するレバノンの武装組織ヒズボラについて、イスラエルの攻撃により弱体化していると指摘。さらに、シリアでのイランの影響力拡大を阻止するため、イスラエルが数百カ所に及ぶ標的を攻撃してきたと説明した。

「もしイスラエルに敵対する勢力がシリアを拠点に活動しようとするならば、それは大きな誤りとなるだろう」と警告した。

ガザ情勢と米国の関与

ルビオ長官の訪問は、トランプ前大統領がガザ地区の住民220万人を他地域へ移転させ、米国がガザを統治する可能性に言及した約1週間後に行われた。トランプ氏はまた、エジプトやヨルダンがガザからの住民を受け入れるべきだとも提案したが、両国はこれを拒否している。

ネタニヤフ首相は、ガザ政策に関する米国の「明確な支持」に謝意を示し、トランプ氏と「緊密に連携しながら取り組んでいる」と強調した。

ルビオ長官も「ハマスが軍事勢力や統治機構として存続する限り、平和の実現は難しい」と述べ、ハマスの完全な排除の必要性を訴えた。

米国の軍事支援

こうした中、米国が先月輸出を一時保留していた重爆弾の供給を再開し、イスラエルに対しMK-84爆弾が大量に供給された。

イスラエルのヨアブ・ガラント国防相は「この輸送は、イスラエル空軍と国防軍にとって極めて重要な資産であり、米国とイスラエルの強固な同盟関係を示すものだ」との声明を発表した。

また「最近の会談で、ピート・ヘグセス米国防長官が、イスラエルの安全保障を確保するために必要なあらゆる支援を継続することを改めて確認した」と述べた。

バイデン前大統領は、ガザの人口密集地での使用による民間人への被害を懸念し、この2000ポンド爆弾の輸出を制限していたが、トランプ政権の方針転換により供給が再開された。

もしイスラエルと米国がトランプ氏の提案通りガザの住民移転計画を進める場合、ガザ地区の状況は大きく変化する可能性がある。トランプ氏は2月10日、ガザを離れたパレスチナ人が必ずしも帰還できるとは限らないと発言し、これまでの一部の政府関係者の「移転は一時的な措置」とする見解と矛盾する立場を示した。

 

エポック・タイムズで国家政治、航空宇宙、航空業界を担当する記者である。以前は「サラソタ・ヘラルド・トリビューン」でスポーツ、地域政治、速報ニュースを担当していた。
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