「その心臓はどこから?」 香港の赤ちゃんが中国本土から提供された心臓で移植

2025/02/19 更新: 2025/02/21

中国共産党が生きている人から臓器を強制的に摘出している事実が少しずつ明らかになるに連れて、国際社会は当然ながら、中国国内でも臓器移植に関する社会的な関心が高まってきている。

そうしたなか、2月16日、中国本土の乳児ドナーから提供された臓器による心臓移植手術(生後8か月の女児)が、香港児童医院で行われたことが発表された。

心臓の移植は、片方だけの移植がある肺や腎臓の移植と違い、当然ながらドナーは確実に死ぬ。中国本土からの移植臓器であれば、赤ちゃんはその移植のために殺害された可能性が高い。

2022年にも同じ病院で香港の4か月の乳児が中国本土から提供された乳児臓器を移植した(香港では初)。その時は、本土側との相談からわずか1か月で乳児心臓が提供されており、香港の病院当局は臓器提供のルートの透明性や臓器売買の有無の確認などについてはコメントを控えていたため、強く疑問視する声が多く上がっていた。

今回の事例も、「提供された心臓は献体であり、合法的だ」と当局は主張しているが、「臓器提供者」の身元に関する説明はなかった。

そのため、「その心臓はどこから来たのか」といった懐疑的な声も多く、「こんなニュース聞くたび、ぞっとする」と感じる市民も少なくない。

というのは、中国臓器移植をめぐっては迫害による強制的な臓器摘出、非合理的な臓器の値段設定、提供数と移植件数の不一致など、浮かび上がる問題は枚挙にいとまがないからだ。
 

中共の臓器狩りは今も続く(Jim Watson/AFP/Getty Images)

 

近年、中国の官製メディアは、「赤ちゃんの臓器移植成功」「赤ちゃんの臓器を大人に移植することに成功」の事例を大々的に宣伝している。

いっぽうで、「ドナー」の実態があまりに不透明であるため、「金持ちや権力者の命をつなぐためにより多くの赤ちゃんが殺されてしまう」と不安視する声も多く上がっている。

 

 



知らぬ間に臓器狩りに加担も 中国への渡航移植に警鐘鳴らす=人権活動組織

知らぬ間に臓器狩りに加担も 中国への渡航移植に警鐘鳴らす=人権活動組織

 

国家ぐるみの犯罪

近年、「ドナー」は死刑囚や信仰者、少数民族などに限らず、一般市民にもその魔の手が届いていることを示す事例があまりに多い。

「本人が知らないうちに、ドナー登録される」
「臓器提供に同意した人が不可解な交通事故に遭った」
「膝の怪我などどう転んでも死にそうもない外傷で入院していたら突然不可解な脳死を遂げられ複数の臓器が移植の臓器にされる」

などの事例も明らかになっており、「病院ぐるみで強制臓器摘出の犯罪に加担しているのでは」と疑う声が広がっている。

また、中共が推進する「臓器提供」キャンペーンは近年、中国の学校にも導入されており、生徒たちに「臓器提供意志登録用紙」を持ち帰らせ、親の署名を求めるよう指示していることもわかっている。

 

2024年7月3日、米ワシントンで会見を開き、臓器を強制摘出された実体験を語る程佩明さん(Madalina Vasiliu/The Epoch Times)
李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!
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