最近、中国湖南省永州市(えいしゅう‐し)の橋にまたしても「手抜き工事」疑惑が持ち上がった。
世論がそう疑う根拠は、開通からわずか17か月しか経っていないのに、すでにあちこちがひび割れてレンガまで脱落しているからだ。
ある動画撮影者は橋にできた亀裂を指で軽く触れるだけで、大量の混凝土がパラパラと落ちた。
現地政府の公式サイトによると、この橋「湘江西路九孔橋」が正式に開通したのは2023年9月28日となっている。
また、中国メディアによると、問題の橋を含む道路建設プロジェクトの総工費は約9億元(約185.5億円)と見積もられている。
「また手抜き工事か」「あんなプロジェクト、どうやって検査をクリアしたのか?」と疑う怒涛の世論の声に対し、現地当局は、「現在関連部門が介入している」とだけ答えている。
ネット上には、「腐敗の産物だ。関連部門の介入も国民に見せるためのショーでしかない」「橋ひとつで何人億万長者が誕生するんだ」など非難がまたしても殺到している。
中国では、住宅の品質や企業の社会的責任よりも、利益追求をはるかに優先する建築業者が多く、この種の事故が絶えない。そのため、豆腐のおからのように、手で砕けるほど脆い「おから工事(豆腐渣工程)」と呼ばれる手抜き工事の住宅が、以前から大きな社会問題となっている。
なぜ中国ではこのような詐欺めいた工事がまかり通っているのだろうか。よく「チャイナクオリティ」と揶揄され、中国人の民族的特性と言われることもあるが、同じ中国人が大半を占める台湾では、おから工事などのニュースはあまり聞かれない。
大紀元の論評「共産党についての九つの論評【第四評】共産党は宇宙に反する」によると、中国人はもともと「道(どう)」を極めて重んじる民族だった。古代、暴虐な帝王は「非道で愚かな君主」と呼ばれ、人が何事かをなすとき、世の人々の認める「道徳」基準に合わない場合は「道理に合わない」と言われ、農民の造反でさえ、「天に代わって正義の『道』を行う」というスローガンが掲げられたという。
中国において古来、人々は努力すれば労働が報われ、勤勉であれば生活が豊かになると考え、それに憧れ、逆に、食いしん坊で怠け者であり、働かずして利益を得る者は悪辣であると考えられてきたのだ。しかしそのような思想は100年あまりの中国共産党(中共)の歴史において徹底的に破壊されてしまった。中国伝統文化を徹底的に破壊した文化大革命では、中共政府の正式発表はないものの、100万人の人々が殺害されたという報告が出ている。
同論評の案内文には次のように記されている。
中共の歴史を振り返ると、いたるところで常に、うそ、戦乱、飢饉、独裁、殺戮、恐怖が付きまとい、伝統的な信仰と価値観は共産党によって完全に破壊され、本来の倫理観念と社会体系は強制的に解体させられ、人と人の間の思いやりや調和が闘争と憎しみに捻じ曲げられ、天地自然に対する畏敬や慈しみが「大自然と闘う」などという尊大な思い上がりに変えられてしまった。
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