政府の効率化を目的とする政府効率化省(DOGE)は、監査の結果、一部の連邦政府機関に関連する20万枚以上の政府支給クレジットカードが未使用と判明したため、停止したと発表した。
DOGEは先月の声明で、政府全体で約460万枚のクレジットカードが使用されており、9千万件以上の取引があり、総額は400億ドル超に上ると報告していた。10日の夜、DOGEは未使用カードの削減の一環として、20万枚以上を無効化したと発表した。
DOGEはXに「毎週更新 クレジットカード監査の進捗報告。16の政府機関と協力し、未使用・不要なクレジットカードの監査を実施」と投稿し、「保健福祉省(HHS)および内務省で大きな進展があった」と報告した。
DOGEは2月に、どの政府機関がクレジットカードを利用し、どれほどの支出があるかについて詳細を公開していた。取引額が最も高いのは国防総省、退役軍人省、国土安全保障省、一般調達局(GSA)と農務省だ。
なかでも退役軍人省の支出は約173億ドルで最も多く、次いで国防総省が約112億ドルを支出していることが、DOGEが公表した2024会計年度のデータからわかった。
DOGEは声明で、「政府機関と連携し、クレジットカードプログラムの簡素化と管理コストの削減に取り組んでいる」と述べ、今後も無駄を削減するための取り組みを進める方針を示した。
一般調達局(GSA)が発表した2024年度の具体的なデータによると、全体のプログラム支出は約397億ドル、政府機関や団体が受け取った返金額は約5億6千万ドルに上った。1回の取引で使われた平均額は441ドルだった。
現在、DOGEをめぐる訴訟や判決が相次いでいる。3月10日、連邦判事がDOGEに対し、業務に関連する公的記録を開示するよう求める判断を下した。
DOGEは、今年1月のトランプ米大統領の大統領令によって設立されて以来、各政府機関を監査し、支出や削減対象となるプログラムを特定してきた。
ワシントンD.C.の連邦地裁のクリストファー・クーパー判事は3月11日の判決で、政府監視団体「Citizens for Responsibility and Ethics in Washington(CREW)」の訴えを支持し、DOGEが情報公開法(FOIA)に従う必要がある可能性が高いとの判断を示した。
これに対し、政府側の弁護士は、DOGEは大統領府の一部であるためFOIAの適用外だと主張し、今後の訴訟過程で詳細な法的根拠を示すとした。
FOIAの適用対象となるかどうかは、DOGEのような機関が『大統領の直接指示なしに独自の権限を行使しているかどうか』によって決まる。クーパー判事は、DOGEがトランプ氏のコスト削減計画を実行するために設立され、大きな権限を行使していると判断し、FOIAの対象になり得るとした。
また、判決文の中でクーパー氏は、「DOGEは単なる連邦プログラムの評価機関ではなく、大幅な改革や場合によってはプログラムの全面廃止を行う権限を持つように見える」と述べた。
8日、DOGEはXで、新型コロナウイルス感染症のパンデミック時に、11歳以下の子どもたちに対して約3億1200万ドルの融資が行われたとの調査結果を明らかにした。
DOGEは、「一部は合法の可能性もあるが、これら5593件の融資に関しては、その可能性は極めて低い」と指摘している。その理由として、「すべての融資で、誤った名前が紐付いた社会保障番号(SSN)が使用されていた」と述べた。
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