日銀は3月19日の金融政策決定会合で、政策金利を現行の0.5%に据え置き、追加の利上げを見送ると発表した。この決定は9人の政策委員全員の一致で決定された。
物価動向と今後の利上げの見通し
1月の消費者物価指数(生鮮食品除く総合)の前年比は3.2%で、日銀の目標である2%を上回っている。しかし、日銀は「見通し期間の後半には、物価が「物価安定の目標」と概ね整合的な水準に落ち着くと予測している。
今後も経済と物価が見通し通りに推移すれば、利上げを進める方針を示しているが、今回の決定には以下の要因が影響したと考えられる。
- 世界経済の下振れリスク
- アメリカの関税政策の不透明さ
- 国内の経済・物価動向を慎重に見極める必要性
物価上昇や春闘での賃金上昇が見込まれる一方で、日銀幹部からは「利上げを急ぐタイミングではない」といった慎重な声も上がっている。
トランプ大統領は、4月2日に、貿易相手国と同水準の関税を課す「相互関税」制度の導入を予定している。
日銀は声明で、「各国の通商政策の動向や、それに伴う海外の経済・物価の影響、資源価格の動向、企業の賃金・価格設定行動など、日本経済と物価を巡る不確実性は引き続き高い」と述べた。
特に、トランプ政権の関税政策と各国の対抗措置が、海外の経済・物価に及ぼす影響をリスク要因として挙げている。
植田和男総裁は、本日15時30分から記者会見を予定しており、今回の決定の詳細や今後の金融政策の方向性について説明する見込み。
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