石破茂首相は19日の参院予算委員会で、岸田文雄前首相が在任中に自民党議員らに10万円分の商品券を配ったという一部報道について問われると、「報道は承知しているが確認をしたものではない。どなたが証言したかというのも大事だが、承知していない。コメントする立場にはない」と語るにとどめた。
岸田前総理大臣の在任中に総理大臣公邸で開かれた政務官との懇談会の際、出席者が岸田氏側から10万円分の商品券を受け取っていたことを複数の自民党関係者が認めたと朝日新聞が報じた。元内閣参事官で嘉悦大教授の高橋洋一氏は、X(旧ツイッター)で公邸の政治家会合なら官房機密費ではないかと疑義を呈し、「もしそうならポケットマネーではないけど」と述べていた。
石破首相は、「労いなどの意図で渡した。政治活動を企図したものでは毛頭ない」と政治活動の疑惑を改めて否定。立憲民主党の小沼巧氏の質問に答えた。小沼氏は岸田氏を参考人招致するよう求めた。
立憲民主党の野田佳彦代表は19日、記者団に対し「自民党の政治文化の問題、構造的に根の深い問題になってきた」「石破茂首相は慣例があると誰かに教えてもらってやり始めたのか」と述べた。自身の在任中に商品券を配布したことがあるかと問われると、「全くない。即答できる」と述べた。
国民民主党の古川代表代行は記者会見で「岸田前総理や石破総理の個人の問題というよりも商品券の配布が歴代総理の慣例になっていたのではないかと疑念を持たれてもしかたがない」と指摘したうえで、「自民党のガバナンスが問われる問題で、きちんと調べて国民に説明する必要がある」と述べた。
また民主党政権の時に、商品券を配付したり受け取ったりすることがあったかどうか問われたのに対し「一切ない」と言明した。
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