かつてはアジア屈指の繁華街とされた上海中心部で、いま「テナント料1万円でも空き店舗」という異常事態が起きていた。経済失速の波が、街の表情を変えてしまったのだ。
市内の七浦路(しちほろ)では、かつて月7万元(約140万円)だったテナント料が、現在は500元(約1万円)にまで下落して、中にはテナント料無料で「管理費だけでOK」という物件もあるという。
太平洋百貨店や伊勢丹、置地広場など百貨店の閉店が続き、大型モールまで廃墟化して、開業わずか7年の巨大モール愛琴海ショッピングセンターでは、いまや屋外エリアの90%以上が空室という惨状だ。
七浦路は、かつて華東地区最大の服飾集積地として3000店舗以上が並んでいたが、今や「第二の鶴崗(かくこう、黒龍江省のゴーストタウン)」と呼ばれるまでに落ちぶれた。
「中国経済は回復している」と繰り返す当局の声とは裏腹に、現場は沈黙の空き店舗だらけ。繁栄を誇った都市が、いまや“消費の墓場”と化したのだ。
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