米軍 フォルドゥ核施設爆撃の衛星画像と破壊詳細を公開

2025/06/27 更新: 2025/06/27

米国防総省は6月26日、B-2ステルス爆撃機によるイラン・フォルドゥ核施設への攻撃詳細と衛星画像を公開した。バンカーバスター最大級「GBU-57」を用いた今回の作戦は、地下深くに設けられた通風孔を正確に破壊し、イランの核開発計画に大きな打撃を与えたとされている。

6月26日、ヘグセス国防長官とケイン統合参謀本部議長が合同記者会見を開き、先週土曜日に米軍のB-2ステルス爆撃機がGBU-57大型バンカーバスター(MOP)を用いてイランのフォルドー核施設を攻撃した詳細を明らかにした。会見では注釈付きの施設写真も含め、攻撃現場の複数の画像が提示された。

米軍は今回の攻撃で、主にフォルドー施設に設けられた2つの通風孔を目標とした。

ケイン大将は、各通風孔に対する攻撃の過程を説明した。MOP(大型貫通爆弾)のうち1発が主シャフトを覆うコンクリートカバーを破壊し、その後5発が秒速1千フィート超の速度で同一通風孔に突入し、激しい爆発と圧力による構造的損傷をもたらしたと語った。

2025年6月26日、米統合参謀本部議長ケイン大将とヘグセス米国防長官がバージニア州アーリントンの国防総省本部で記者会見を行い、イランのフォルドゥ核施設に対する爆撃に関する写真を公開した(Photo by Andrew Harnik / GETTY IMAGES NORTH AMERICA / Getty Images via AFP)

さらにケイン氏は、すべてのMOPが設定された目標および照準点に正確に誘導され、設計通りに爆発したことを確認した。後続の戦闘機パイロットの証言によれば、今回の爆発はこれまでに経験した中で最も明るく、視覚的な衝撃も顕著であった。今回の作戦には男性と女性のパイロットが共に参加したという。

またケイン氏は、攻撃に先立つ数日間にイラン側が主シャフトのカバーを増設しようとした動きを米国が把握していたことを明かした。計画担当者はこの動きを考慮に入れ、最初のMOPで強制的にカバーを破壊し、シャフトを露出させる作戦を立案した。

今回の攻撃には計6機のB-2爆撃機が出動し、それぞれ2発のGBU-57を投下した。空爆作戦はF-22およびF-35第5世代ステルス戦闘機、ならびに複数の第4世代戦闘機による支援を受けて実行した。

ケイン氏は、兵器の製造、試験、搭載はいずれも規定に準拠していたと述べた。さらに、投下速度と各種パラメータも規格通りであり、兵器は正確に目標へ誘導され、設計通りに作動したと強調した。

情報部門による別の手段でも、MOPの爆発を確認しており、後続の戦闘機もその作動を目視していたとケイン氏は説明した。

ヘグセス氏とケイン氏は、注釈付きのフォルドー施設の写真を記者団に提示した。施設内部の2つの通風孔がどのように攻撃を受け、2008~25年の間にどのような構造変化があったかを解説した。写真には施設の広域図や通風孔内部構造も含まれており、各通風孔に対して6発の爆弾が使用された。

戦闘損害評価(BDA)について問われたケイン氏は、評価作業を空軍は担当しておらず、情報部門の任務であるとした。また、自軍の作戦を自己採点することは行わない姿勢を示した。

同日、バイデン政権下でホワイトハウスの中東調整官を務めたブレット・マクガーク氏は、CNNのインタビューにおいて、今回の「ミッドナイト・ハンマー」作戦がイランの核開発計画に対して「顕著な挫折」をもたらしたと述べた。

マクガーク氏によれば、初期の損害評価ではフォルドゥ核施設を含む複数の重要目標に対して作戦が成功を収めたとされる。フォルドゥはイランにおける最も重要な核濃縮拠点であり、山中深くに埋設され、長年にわたり攻撃を防ぐ設計を施してきた。

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