鹿児島県の十島村で7月2日、震度5弱を観測する地震が一日に二度発生した。気象庁によると、2日午前4時32分ごろと午後3時26分ごろ、いずれもトカラ列島近海を震源とする地震が発生し、いずれも十島村で最大震度5弱を記録した。震源の深さは午前の地震が16km、午後の地震が10kmで、マグニチュードはそれぞれ5.1と5.5と推定されている。
気象庁は2日夕方、緊急会見を開き、「トカラ列島近海では6月21日以降、地震活動が非常に活発な状態が続いている」と説明した。2日だけで震度1以上を観測した地震が4回発生しており、過去12日間で850回を超える地震が観測されているという。特に十島村の悪石島では、連日のように強い揺れが記録されている。
今回の地震による津波の心配はないとされているが、気象庁は「揺れの強かった地域では、落石や崖崩れなどの危険が高まっている可能性がある」として、今後も同程度の地震が発生する恐れがあるため、引き続き注意を呼びかけている。
大紀元は鹿児島県庁に現状の評価や島外避難の可能性について話を聞いた。危機管理防災局災害対策課の担当者は「火山や台風など災害レベルが想定しやすいものと違い、地震の場合は評価が難しい。2021年に島外避難が決定された際には、震度5強の地震発生と島民の要望が決め手となった。しかし、島外避難となれば、家畜などの問題もあり、今後の生活に大きな支障が出る。現在はとにかく現地島民のニーズを聞いているところだ」と述べた。
現在、本土間の交通・物流について影響は出ていないという。
また海上保安庁の船艇が沖合に待機しており、島民への安心感につながっているという。
十島村には7つの島に約670人が暮らしているが、2日午後5時現在、これまでに大きな被害の情報は入っていない。住民からは「夜も揺れが続き、眠るのが怖い」「子どもだけでも島外に避難させるか検討している」といった不安の声も聞かれる。
十島村の7つの有人島は、以下の通りである。
口之島(くちのしま)
中之島(なかのしま)
平島(たいらじま)
諏訪之瀬島(すわのせじま)
悪石島(あくせきじま)
小宝島(こだからじま)
宝島(たからじま)
これらの島々はトカラ(吐噶喇)列島とも呼ばれ、屋久島と奄美大島の間に鹿児島県本土から南南西に約160kmにわたって連なっている。各島は火山や珊瑚礁など地形や文化に特色があり、村の中心は中之島である。
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