16日、トランプ政権は、宗教活動を理由とした連邦職員の在宅勤務や勤務時間の調整申請を認める方針を発表した。これまで、政権はすべての連邦職員に対し、フルタイムでのオフィス出勤を求めていた。
アメリカ連邦政府人事管理局(OPM)は、各連邦機関の責任者宛てに信仰活動を支援するためのガイドラインを記載したメモを発表した。OPM局長のスコット・クポー氏は、「各機関は寛大な対応をとりつつ、宗教活動に関する職員からの申請を認めながらも、業務の効率を維持するべきだ」と述べた。
このメモによれば、連邦機関は職員が宗教的な祭りの前後や期間中に在宅勤務できるよう配慮する必要があるとされ、たとえば、断食を行う職員には、勤務中に静かな環境で祈りや休憩ができるよう在宅勤務を認める必要があるという。祈りや宗教行事に参加する職員にも、休憩時間に合わせた柔軟な働き方を認めるべきであるとした。
一方で、宗教上の理由による在宅勤務申請を認めない場合、連邦機関はその措置が業務に重大な影響を及ぼすことを証明しなければならないとされた。
今回のガイドラインは、個人の宗教的信念のために、勤務調整が必要な行政部門の全職員に適用され、たとえば特定の時間の欠勤や宗教儀式・活動への参加も対象となった。
クポー局長は「宗教の自由は基本である」と強調し、「どの連邦職員も、信仰と連邦の仕事の間で選択を強いられるべきではない」と述べた。この指針を通じ、各機関に法的責任の履行と職員からの申請の真摯な受け止めを求めた。
なお、トランプ政権はこの方針によって、連邦職員の勤務規定を最新のものに見直した。大統領就任初日には、全連邦職員に週5日オフィス勤務を命じ、選挙期間中にもリモートワークを厳しく批判した。
一方、ロイター通信によると、バイデン前政権下の2024年5月時点では、100万人超の連邦職員(連邦文職職員のほぼ半数)が一部リモートワークの資格を持ち、そのうち約10%は完全な在宅勤務体制だったと報じられた。
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