中国 「下水の臭い」「黄色い水」 原因不明のまま不安拡大

中国・杭州市で水道水異変 住民に健康被害も

2025/07/19 更新: 2025/07/19

中国屈指の観光都市・杭州市。世界遺産に登録された西湖(せいこ)の美しさは古くから詩や絵に詠まれ、「天上の楽園」と称えられてきた。近年はアリババ集団の本拠地としてIT産業の先端を走り、歴史と現代が融合する「水と緑と経済の都」として知られる。そんな杭州で、まさかの水道異変が起きた。

7月16日午前、中国・浙江省杭州市余杭(よこう)区の複数の住宅地で、水道水が突然黄ばみ、下水のような異臭を放つ騒動が発生した。

「蛇口をひねった瞬間に部屋中が臭くなった」「沸かしても臭いが消えない」「臭い水で炊事したら体調を崩した」「手を洗ったら臭いが取れない」「シャワーで体じゅうが臭くなった」「歯磨きで吐きそうになった」「顔を洗ったら肌が荒れた」など、異臭や体調不良を訴える声が相次ぎ、市民の間には動揺が広がっている。

あるネットユーザーは、「使い捨てタオルで蛇口を包んで1分水を流したら黄ばんだ。こんな水使えるか!」と写真付きで批判した。

 

「使い捨てタオルで蛇口を包んで1分水を流したら黄ばんだ。こんな水使えるか!」と、水道水異変を訴える市民の投稿、中国・杭州市、2025年7月16日以降。(スクリーンショット)

 

水道管理会社は「水源の切り替えと配管洗浄を行い、残留水を排出すれば使用可能」と説明したが、翌17日になっても「臭いが取れない」「消毒薬の臭いがきつい」との声は止まず、原因も未だ特定されておらず、人体への影響も「検査結果待ち」だ。

「排水弁を誤接続したのでは」「浄水器のフィルターも全滅」「減免された水道料金なんてボトル水代にもならない」との批判が噴出するなか、住民はボトル水を買い占めに奔走し、生活インフラの信頼は大きく揺らいでいる。

生活を支えるはずの水道が、市民の脅威になっている。杭州市民の「臭い水」との戦いは今も続く。

 

「悪臭漂う」水道水と、買い占めに走る市民たち。2025年7月16日、中国浙江省杭州市。(映像よりスクリーンショット)
李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!
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