中国屈指の観光都市・杭州市。世界遺産に登録された西湖(せいこ)の美しさは古くから詩や絵に詠まれ、「天上の楽園」と称えられてきた。近年はアリババ集団の本拠地としてIT産業の先端を走り、歴史と現代が融合する「水と緑と経済の都」として知られる。そんな杭州で、まさかの水道異変が起きた。
7月16日午前、中国・浙江省杭州市余杭(よこう)区の複数の住宅地で、水道水が突然黄ばみ、下水のような異臭を放つ騒動が発生した。
「蛇口をひねった瞬間に部屋中が臭くなった」「沸かしても臭いが消えない」「臭い水で炊事したら体調を崩した」「手を洗ったら臭いが取れない」「シャワーで体じゅうが臭くなった」「歯磨きで吐きそうになった」「顔を洗ったら肌が荒れた」など、異臭や体調不良を訴える声が相次ぎ、市民の間には動揺が広がっている。
あるネットユーザーは、「使い捨てタオルで蛇口を包んで1分水を流したら黄ばんだ。こんな水使えるか!」と写真付きで批判した。

水道管理会社は「水源の切り替えと配管洗浄を行い、残留水を排出すれば使用可能」と説明したが、翌17日になっても「臭いが取れない」「消毒薬の臭いがきつい」との声は止まず、原因も未だ特定されておらず、人体への影響も「検査結果待ち」だ。
「排水弁を誤接続したのでは」「浄水器のフィルターも全滅」「減免された水道料金なんてボトル水代にもならない」との批判が噴出するなか、住民はボトル水を買い占めに奔走し、生活インフラの信頼は大きく揺らいでいる。
生活を支えるはずの水道が、市民の脅威になっている。杭州市民の「臭い水」との戦いは今も続く。

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