中国では、雨季のたびに、都市が水没するのがもはや常態となった。しかし、それは本当に自然災害だけなのか?
内モンゴル自治区の省都・フフホト(呼和浩特)市が7月25日、記録的豪雨に見舞われ、市街地の広い範囲が冠水した。道路の陥没により車が転落する事故や19歳配達員が感電する事故も発生するなど、都市機能が一時マヒした。
被害の原因について、住民の多くは「上流の紅領巾水庫(ダム)の放流が洪水を招いた」とみており、SNSでも「これは天災ではなく人災だ」との批判が噴出した。
(上流の紅領巾ダムで放流が行われる様子、2025年7月25日)
人災だという批判は今回が初めてではない。先月の貴州省の洪水でも、上流ダムの放流や排水設備の不備が指摘された。被災地(貴州)をよく知る元裁判官・林小龍氏は「中国の洪水はどの都市にも人災がある。多くは腐敗と手抜き工事が生んだ構造的な問題だ」と断言した。

中国当局は例年のように「異常気象」や「数十年に一度の豪雨」と説明するが、繰り返される被害と失われる命に、国民の不信と怒りは深まるばかりだ。
(冠水した内モンゴル・フフホト市内、2025年7月25日)
(冠水した内モンゴル・フフホト市内、2025年7月26日)
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。