元香港長官・梁振英がフィンランドで法輪功学習者を脅迫 中共越境弾圧の実態

2025/08/18 更新: 2025/08/19

元香港行政長官で中国共産党(中共)幹部の梁振英がフィンランドで法輪功学習者に対して公然と脅迫行為を行った。これにより、中共の越境弾圧が国際的な人権問題として再び浮き彫りになった。

今月13日、元香港行政長官の梁振英はフィンランドの公園で法輪功学習者を公然と脅迫した。梁とその妻は、ヘルシンキのシベリウス公園で法輪功学習者に個人情報を尋ね、さらに個人写真の撮影を強要した。

8月13日午後2時15分頃、梁振英とその妻は公園を散歩中に集まっていた複数の法輪功学習者に気付き、近づいて行き、姓名、出身地、経済的背景、所属団体の情報提供を強要した。さらに、学習者たちが中国で人権侵害を受けているという現実を否定し、それを「嘘だ」と主張した。梁の発言は明らかに脅迫的であった。

「君は自分のフルネームも言えない」「(誰からの指示で、いくらもらって、こうやって公の場で煉功したり署名を集めているのか)君はもらった金額も言えないし、その金がどこから来たのかも言えない」と梁振英は言い放った。

梁振英は若い学習者の一人に名前と住所を何度も尋ねた。その学習者は「もし中共が私の祖母や祖父に嫌がらせをしたら、あなたは彼らの安全を守るのか。もし守れないのであれば、私は自分の親族を危険にさらすことになる。それくらいのことも分からないのか」と答えた。

その答えに対し、梁振英は「いったん我々が君たちの名前を把握すれば、我々は帰国後すぐに(監視データベースと)照合できる。一人一人を確認できるのだ」と述べた。

梁は動画の中で、過去に香港の法輪功学習者を監視・審査したことを公言し、「香港における法輪功について、我々は長年かけて徹底的に調べ尽くした」と述べた。

法輪大法情報センターは、この場で録音された梁振英の脅迫音声を入手した。

梁振英は2012年から2017年まで香港の行政長官を務め、現在は中国人民政治協商会議の副主席を務めている。同行したのは妻の梁唐青儀(リョン・トンチンイー)と他の2名であった。

現場にいた法輪功学習者の一人は「彼らの口調と行動は明らかに脅迫的であった。フィンランドのような民主国家においても、中国(中共)の官員は民衆を脅すことをためらわない」と語った。

前香港行政長官の梁振英の妻、梁唐青儀はフィンランドの煉功場所で法輪功学習者を撮影していた。(法輪大法情報センター)

中国共産党の越境弾圧

この事件は、中共による越境弾圧の最新事例であり、中共またはその代理人が国境を越え、海外の華人コミュニティや批判者に対して恐喝や威嚇、さらには暴行を行う構図を示している。

2022年6月、梁振英は自身のフェイスブックで、香港における法輪功学習者への監視・弾圧の実態を、自ら明らかにした。彼は「2013年の時点で、私は食環署(食物環境衛生署)に指示を出し、法輪功が政府の土地に設置した展示物を撤去させ、さらに三か月ごとに進捗状況を報告させていた」と述べた。

法輪大法情報センターは、梁振英の発言を建設的な対話ではなく、学習者に個人情報を開示させようとする尋問のような強要行為だと指摘した。また梁振英は、中国共産党のプロパガンダ手法を踏襲し、法輪功学習者が市民としての信念や迫害の事実に基づいて活動しているのではなく、あたかも金銭を受け取って動いているかのように印象づけた。

現場にいた法輪功学習者は、この一件に強い不安を覚えたと述べた。今年の初めにも同じ公園で、数人の中国人が法輪功学習者を妨害しに来た。その者たちは学習者を撮影し、現地の中国大使館に通報した。その後、中共当局は中国国内に住む学習者の親族数人を呼び出し、事情を聴取した。

当時、法輪功学習者たちは、フィンランドの警察に通報した。梁振英らが立ち去った直後、警察が現場に到着し、学習者たちから事情を聴取した。警察は学習者たちの活動が合法であり、フィンランドの法律によって保護されていることを確認した。さらに、この地域を監視し妨害を許さないと明言した。

法輪大法情報センターは、中国人民政治協商会議(人民政協)が中国共産党・統一戦線組織の一部であり、梁振英がその機構で重要な役職にあることを指摘した。

法輪大法情報センターの報告は次のように述べている。

「梁振英は、平和的に信仰や抗議活動を行う人々から個人情報を聞き出そうとし、さらに過去に中共が法輪功の監視・審査に関わったことにも言及した。こうした行動は、政治的な意図を持つものと考えるのが自然だろう」

林燕