石破首相 アフリカ首脳34人とのマラソン会談終える

2025/08/22 更新: 2025/08/22

石破茂首相は、20~22日の日程で横浜市で開催された第9回「アフリカ開発会議(TICAD)」にあわせ、来日したアフリカ各国の首脳など34人とのマラソン会談を終えた。TICADは1993年に日本政府の主導で始まった国際会議で、アフリカ諸国の経済・社会開発支援や日本との協力関係強化を目的としており、今回で9回目を迎えた。

会議は22日、3日目の全体会合を開催。国連のアントニオ・グテーレス事務総長をはじめ、49か国の首脳や国際機関の代表が参加し、アフリカの開発課題や国際社会との協力の在り方について議論した。

同会議にあわせて、石破首相は各国首脳と個別に会談を重ね、各国との関係強化を図るとともに、インフラ整備や教育、農業、気候変動対策など幅広い分野での協力の具体策を協議した。

会議の場で、日本政府はケニアに対し最大250億円(約1億7000万ドル)の円建て融資供与枠を提供することで合意。これにより、ケニアの交通インフラ整備や都市開発、エネルギー分野への投資が期待されている。また、他のアフリカ諸国への支援策として、医療体制の強化や持続可能な農業技術の導入、再生可能エネルギー事業への投資も議題に上った。

今回の会議では「横浜宣言」が採択され、人口増加に伴う市場拡大や経済成長が見込まれるアフリカを、日本と共に課題解決に取り組む重要なパートナーとして位置づけた。特に、教育や技術革新、デジタル化支援を通じて、アフリカ諸国の自立的発展を後押しする方針が示された。

「グローバルサウス」として存在感を増すアフリカ諸国との関係強化を目指したい考えで、中国共産党政権による同地域への影響力拡大に対抗する狙いもあるとみられる。

エポックタイムズ記者。日本の外交をはじめ、国内外の時事問題を中心に執筆しています。
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