中国共産党(中共)が、従来型の硬直した宣伝手法を避けるため、新たに外国人インフルエンサーを利用する動きを強めている。
中国のネット有名人に加え、西洋人を雇い中国を訪問させ、「西洋人も中国の進歩に感動している」という虚像をつくり出している。狙いは言うまでもなく、中共の内外におけるイメージの改善である。中国国内では、こうした西洋人インフルエンサーはしばしば「白猴子(白いサル、White Monkey)」と揶揄されている。
実際には、旅行ブロガーを装ったインフルエンサーが中国国際放送局の雇用下にあることが判明している。彼らは観光や日常を紹介する一方で、新疆問題など批判的テーマを避け、中国社会を明るく描くことで「西洋人まで中国を称賛している」と印象付けている。
さらに、中国政府が全額費用を負担する旅行にインフルエンサーを招待し、実際に応募者が集まる例も確認している。
専門家は、この仕組みが「西洋人の口を借りて中国を褒めさせ、それを国内の宣伝に転用することで、国民に『世界も中国を認めている』と思わせる狙いがある」と指摘する。こうした演出により、最終的に政権の正統性を補強する道具として利用しているのである。
カナダ在住の作家で民主活動家の盛雪氏も「生活に寄り添った宣伝ほど影響力は大きい。中共メディアは信用されないが、西洋人の生活感ある発信なら人々は受け入れてしまう」と警鐘を鳴らす。

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