米スペースXは8月26日夜、大型ロケット「スターシップ」の第10回試験飛行を実施し、初めて模擬衛星8個を宇宙に展開することに成功した。
テキサス州の「スター基地」から打ち上げられた全高123メートルのスターシップは、歓声に包まれて上昇した。打ち上げから約3分後、巨大な「スーパーヘビー」ブースターが上段を軌道へ送り出し、分離後に予定通りメキシコ湾に着水した。
解説員
「見事なホバリング制御の後、エンジンを停止し、間もなくメキシコ湾へと着水した」
飛行から約30分後、スターシップは8基の「スターリンク」模擬衛星を放出し、初めて衛星の展開能力を実証した。
解説員
「衛星が出てきた」
スターシップはその後も地球周回を続け、軌道上でエンジンを再点火した。新型の断熱タイルをはじめとする重要技術のデータを収集した。これらの成果は、将来の有人飛行や大型貨物輸送にとって極めて重要とされている。
帰還過程で機体は反転して減速し、垂直姿勢のままインド洋に着水した。その後転覆して発火したが、着水自体は成功しており、主要な試験目標は達成された。
解説員
「反転し、漂流した」
SpaceXのCEOイーロン・マスク氏は、「今後3〜4週間以内に再び試験飛行を行い、開発をさらに加速させる」と表明した。また、スターシップを「人類を宇宙へ送り出す鍵」と表現している。
米航空宇宙局(NASA)のショーン・ダフィ代理局長は27日、SNSで「SpaceXのスターシップ試験飛行の成功に祝意を表す」と投稿している。「今回の成果は有人月面着陸システムへの道を開き、『アルテミスIII号』でアメリカ人宇宙飛行士を月面に送り届けることにつながる」と述べた。
NASAはすでにSpaceXと29億ドル規模の契約を結んでおり、2027年にスターシップを用いた「アルテミスIII号」ミッションを実施する計画だ。
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