激変する中国 中国で広がる狂気の就職競争

「掃除なら誰でもできる」は昔の話?  清掃員にまで筆記試験と身辺調査=中国

2025/09/09 更新: 2025/09/09

「自分には能がないが、体力だけはあるから、掃除ぐらいしかできない」そう思っても、今の中国ではもう通用しないようだ。いまや清掃員の採用にすら「筆記試験」「面接」「体力検査」「身辺調査」が課される時代となった。

7月18日に公表された上海での清掃作業員募集では、まず筆記試験と面接が行われ、合格しても体力検査や身辺調査が待ち受ける。募集は44人にすぎないのに応募は198人、倍率は5倍近くに達した。応募条件も中卒以上に加え、男性は50歳以下、女性は45歳以下と、細かな制限が並んでいる。

 

福建省南平市延平区で働く街の清掃作業員。本記事とは関係ありません(スクリーンショット)

 

異様な「採用ハードル」は上海だけではない。6月には広州市でも、清掃作業員3人を採るのに筆記試験や技能テストが導入された。中国でかつて「誰でもできる」とされた仕事にまで選抜試験が及ぶ現実は、雇用環境の悪化を映し出している。

さらに、就職難の異常さを象徴する事件もあった。7月下旬、大手求人サイトに投稿された23歳女性の履歴書には「過去に上司の暗黙の要求に応じた」と書かれていた。事実上「職を得るために不適切な関係を受け入れた」と示す内容で、投稿は瞬く間に炎上。アカウントは削除されたが「仕事を得るためには何でもあり」という空気が広がっていることを印象づけた。

経済の減速が長引くなか、職をめぐる奪い合いは激しさを増すばかりだ。市民の皮肉混じりの声が現実を突いている。「掃除の仕事にまで試験と身辺調査を行うとは、この国はいったいどこへ向かうのか」。

 



中国の高齢な町清掃員の悲惨な人生 動画は封殺に遭う

「毎日9時間働いて、給料ももらえない」と訴える街の清掃業者のおじいちゃんの動画が中国のネット上封殺に遭っている。

李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!
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