米軍インド太平洋軍司令部は9月4日、日米韓が15日から年次合同訓練を実施すると発表した。空、海、サイバーの各領域で三国の連携を強化し、インド太平洋地域の平和と安定を守る姿勢を示す狙いだ。
フリーダム・エッジは日米韓による三国間の多領域訓練で、名称は米韓の「フリーダム・シールド(Freedom Shield)」、日米の「キーンズ・エッジ(Keen Edge)」の両演習に由来する。
今回の演習は、アジア太平洋の平和維持に向けた三か国の協力を象徴するもの。2025年7月に三国首脳が開催を決定し、トランプ米大統領と韓国の李在明大統領の就任後、初めての実施となる。
演習は今年から年1回に開催し、期間も従来の3日間から5日間に延長する。今年は9月15日~19日、韓国・済州島南東沖の国際海域で行われる。
米軍印太司令部によると、今年は弾道ミサイル防衛に加え、海兵隊や空軍の航空戦力を投入。高度防空、戦場での負傷者搬送、敵対船舶や密輸阻止の海上作戦など、新たな訓練も組み込まれる。
声明では「昨年の成果を踏まえ、今回の演習はこれまでで最も高度な防衛協力となり、共同作戦と防衛協調の最高水準を示す」と強調。「三か国の協力は、共通の脅威に直面しても核心的利益を守り抜く決意の表れであり、第一列島線での実戦力を高めることで抑止力を一層強化する」とした。
韓国合同参謀本部も「この演習は毎年実施する定例訓練で、北朝鮮の核・ミサイルの脅威に対応し、地域の平和と安定を守ることが目的だ。国際法や関連規則を厳格に順守する」と説明し、定例訓練であることを強調した。
9月3日に北京で行われた閲兵式では、金正恩とプーチンがそれぞれ習近平の左右に並び、「新たな悪の枢軸」が結束して西側に対抗する統一戦線を築いているとの批判が出ている。日米韓三国は、訓練を通じて結束を示し、抑止力を高める狙いがあるとみられる。
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