トランプ氏と議会指導部 政府閉鎖回避の合意に至らず

2025/09/30 更新: 2025/09/30

アメリカ議会指導部は、10月1日午前0時1分に発効する政府閉鎖を回避するための暫定的な歳出決議に合意することができなかった。

9月29日午後、下院議長マイク・ジョンソン(共和、ルイジアナ)、下院少数党院内総務ハキーム・ジェフリーズ(民主、ニューヨーク)、上院多数党院内総務ジョン・スーン(共和、サウスダコタ)、上院少数党院内総務チャック・シューマー(民主、ニューヨーク)がドナルド・トランプ大統領と会談したが、民主党が医療分野への大幅な追加支出を票の条件として要求し続ける中、膠着状態が続いた。

シューマー氏はホワイトハウスでの協議を終え、報道陣に対し「私たちは医療について非常に大きな意見の相違がある」と述べ、「トランプ氏には閉鎖を回避できる力があるが、我々の間には依然として大きな隔たりがある」と語った。

ジェフリーズ氏は「民主党はアメリカ国民の医療を守るために闘っており、日々のアメリカ人の医療を切り刻み続ける偏った共和党の歳出法案に賛成することは断じてない」と述べた。

共和党は、7週間の暫定的な歳出決議は本来の歳出プロセスの代替にはならないと主張しており、このプロセスは議会両院が12本の個別歳出法案について合意することを求めるものである。

JD・ヴァンス副大統領は、民主党が政府閉鎖交渉で医療政策を交渉材料として持ち出したことを一蹴した。「そんなやり方は全くばかげている」と副大統領は述べた。さらに共和党は医療問題に取り組む用意はあるが「今ではない」と強調し、「政府閉鎖と結び付けるべきではない」と語った。

シューマー氏は共和党指導部に対していくつかの提案を行ったと述べたが、その中身は明らかにしなかった。その代わりに、行動を取らなかった場合の結果として地方病院の閉鎖、メディケイド削減、働く人々の保険料の急増を挙げた。

また民主党は、いわゆるオバマケア(医療保険制度改革法)を通じて民間保険を購入する中間層向けの、新型コロナ時代の補助金である保険料税額控除の拡充措置の延長も求めている。この強化された控除は、連邦貧困基準の4倍を超える所得を持つ世帯約2000万人に適用されるが、12月31日に期限切れとなる。

争点の核心は、共和党が来年度の連邦政府を賄うために必要な12本の歳出法案の審議を続ける間、現行の歳出水準を7週間延長したいのに対し、民主党は短期歳出法案に新たな支出を追加し、彼らが「医療危機」と呼ぶ問題の解決を狙っている点である。

共和党は上院で53議席を保有しているが、継続歳出決議を可決するには民主党または無所属の7票以上が必要となる。下院は9月19日、「クリーン」な継続歳出決議、すなわち追加条項なしで現行水準を延長する法案を可決したが、上院では44対48で否決された。リサ・マーカウスキー上院議員(共和、アラスカ)が全ての民主党および無所属とともに反対票を投じ、8人の共和党議員は投票しなかった。

管理予算局のラッセル・ヴォート局長は「彼らが話したいと望むいくつかの課題について腰を据えて取り組む用意はある」と述べ、具体的には保険料税額控除の拡充措置を挙げた。

9月28日放送の「Meet the Press」に出演したスーン氏は、民主党が単純な継続歳出決議を妨げていると批判した。「これは単純な7週間の資金手当であり、普通の歳出プロセスを可能にするものである。我々は昔ながらのやり方で歳出法案を成立させようとしている」と語った。

議会が12本の歳出法案に合意したのは1997年が最後であり、ほとんどの年で秋にかけて短期的な暫定歳出法案を繰り返し、年末に全てをまとめた包括的な歳出法案を成立させてきた。今年はまだ1本の歳出法案も両院を通過していない。

エポックタイムズの政治記者
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