公明党代表の斉藤鉄夫氏の地元の衆院広島3区をめぐり、これまで与党内で同選挙区の候補者調整を続けてきた自民党の石橋林太郎衆院議員(比例中国)が12日、次期衆院選への立候補に改めて意欲を示した。複数のメディアが報じた。
石橋氏は同日、広島市内で記者団の取材に応じ、斉藤氏との直接対決について問われると、「もちろんだ。連立を解消するなら各党が候補者を立てるのが筋だ」と述べ、事実上、公明党との選挙協力が崩れた場合には広島3区からの出馬も辞さない考えを示した。
自民党と公明党はこれまで、広島3区を含む一部の選挙区で候補者一本化を維持してきたが、次期衆院選に向けた調整では難航が伝えられている。
長年にわたり全国の小選挙区ですみ分けを続けてきた自公両党が、ここ衆院広島3区では公明党と自民党広島県連が真っ向から対立してきた歴史がある。
発端は、2019年広島3区現職の河井克行元法相が巨額買収事件で検察当局に逮捕・起訴されたことだ。
公明党は自民党に相談せずに斉藤鉄夫副代表の出馬を決定した。政治ジャーナリストの泉宏氏は東洋経済に「もはや自民党の候補者を支援できない」という支持者からの反発の声が上がったことを理由としている。
それに反発する形で自民党広島県連は、公募を経て石橋林太郎県議(当時)を擁立し、自公対立が決定的となった。
最終的には、自民党広島県連が反発する中、党本部レベルでの調整が進められ、自民党広島県連が擁立する予定だった石橋林太郎氏は比例中国ブロック(名簿1位)に回り、斉藤鉄夫氏が与党統一候補となることで決着。斉藤氏は2021年衆院選で小選挙区初当選を果たし、石橋氏も比例復活(中国ブロック単独1位)で初当選し、現在に至っている。
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