トランプ米大統領が訪韓を前に、米韓両国の重工業企業は10月26日、海軍の補給・支援艦艇を共同建造することで合意したと発表した。
Newsmaxによると、韓国のHD現代重工業と米ハンティントン・インガルス・インダストリーズは同日、韓国・慶州で協力覚書に署名し、アメリカ海軍向けの艦艇を共同で開発する方針を表明した。
これは海軍造船分野における米韓企業の初の本格協力であり、軍事および商業分野の造船協力が新たな段階に入ったことを示している。
この協定はアジア太平洋経済協力(APEC)首脳会議の期間中に結ばれたもので、トランプ氏は近く慶州を訪れ、韓国の李在明(イ・ジェミョン)大統領との首脳会談を行う予定だ。
覚書によると、協力は主に次の4分野に重点が置かれる。
- 分散型造船施設への共同投資
- アメリカ海軍補給・支援艦艇プロジェクトに関する戦略的連携
- AIやロボット技術に関する共同研究開発
- インド太平洋地域における艦艇のライフサイクル支援の強化
両社はすでに米海軍の次世代後方支援艦の概念設計に参加することで合意しており、同艦は戦闘艦への補給能力のほか、機動性や作戦効率の向上が図られる見通しだ。
ハンティントン・インガルスのエリック・チューニング執行副社長は、「今回の連携は企業間の協力を超え、両国関係の深化を象徴するものであり、アメリカの軍事および商業造船業界全体に持続的な変革をもたらす」と述べた。
HD現代重工業も声明で、この覚書は米韓両国が経済・安全保障の両面で緊密に連携していることを明確に示していると強調した。
業界筋は、両国企業の協力により、アメリカ海軍の艦艇建造能力が強化されるとともに、AIやロボティクスといった先端技術分野における技術交流の拡大も期待されると見ている。また、共同投資と施設の共有によって、造船工程の効率化やコスト削減が進む可能性がある。
この協力を支えるため、HD現代重工業は米バージニア州のニューポート・ニューズ造船所およびミシシッピ州のインガルス造船所に対し、モジュール式の船体構造を供給する計画であり、アメリカ国内での新たな造船施設の建設や既存施設の買収後の共同投資も検討している。
アメリカ政府が韓国との連携を深めようとする背景には、中国共産党の海軍の急速な拡大に対抗し、アメリカの造船能力を迅速に強化する必要があるという戦略的判断がある。データによると、アメリカが年間に建造する大型艦艇は5隻未満であるのに対し、中国は年間1700隻以上を建造しているとされる。
アメリカ海軍のジョン・フェラン海軍長官は議会証言で、多くの造船プロジェクトが深刻な遅延とコスト超過に直面しており、「最も優良とされるプロジェクトでさえ6年遅れ、予算を57%超過している」と述べた。
今回の米韓造船協力は、韓国が支持する「アメリカ造船業を再び偉大にする」構想の一環であり、同構想に基づき、韓国はアメリカ造船業に1500億ドルを投資する予定である。これは韓国が表明した3500億ドルの対米投資計画の一部にあたる。
この構想は、7月末にトランプ政権が韓国に対する関税を引き下げた際の貿易交渉を起源とし、アメリカの造船産業を再建し、中国共産党(中共)の造船優位に対抗することを目的としている。
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