約5500億ドル(約80兆円)規模の対米投資案件をめぐって、日米両政府は候補となる企業を公表した。三菱重工業や東芝、ソフトバンクグループをはじめとする企業が参加を検討している。
日米間の覚書(MOU)によると、このファンドは経済安全保障と国家安全保障上の利益を促進することを目的としており、エネルギー、半導体、医薬品、金属、重要鉱物 (Critical Minerals) 、造船、人工知能 (AI)、量子コンピューティングの分野への投資を目指している。
共同文書によると、日米の両国企業が電力網の電化および安定化に向け、ガスタービンや発電機など大規模電力設備を供給する計画だ。
日本の企業では、日立や三菱重工業がSMR(次世代原子炉)建設、三菱電機はデータセンター機器供給にも投資する。東芝は電力設備供給といった内容が盛り込まれた。その他、ソフトバンクグループやパナソニック、村田製作所などの企業も名前があがっている。
その他の重要合意として、重要鉱物協定の署名、造船能力拡大協力覚書(MOC)、AIや6G等を含むテクノロジー繁栄協定が締結され、JERAや東京ガスによる米国産エネルギーの記録的な購入も発表された。
80兆円の出資については 決定権や利益の多くはアメリカ側にあり、利益配分は日米で1対9の割合になることが想定されており、日本はあくまで出資者で主導権は少ない立場となっている。
今回、日米両首脳は関税引き下げと投資促進の両面から日米経済の協力関係を新たな段階へと進める意向を示したが、これらの案件が最終的に投資として成立するかは、両国による今後の協議やトランプ大統領の最終的な決裁を経る必要がある。
24日の赤澤亮正経済産業大臣の就任記者会見では、赤澤大臣は日米関税合意の実施については、赤澤大臣、茂木敏充外務大臣、城内実内閣府特命担当大臣の3閣僚が関与する。茂木大臣が全体を総括し、赤澤大臣が引き続き米国との調整に当たるという考え方を示し、過去の交渉経験を最大限に活かす意向を表明した。
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