国際 中共の宗教弾圧に抗議 米前大使「法輪功迫害は最も残酷」

「信仰無罪!」 米ロサンゼルスとワシントンに響く自由と良心の声

2025/10/30 更新: 2025/10/30

10月26日、米ロサンゼルスの中国総領事館前で、中国共産党(中共)による宗教弾圧に抗議する集会が開かれた。

長年迫害を受けてきた法輪功や、最近大量逮捕があった錫安(シオン)教会を支援し、連帯を示すために数十人の中国系住民らが「信仰無罪!」と声を上げた。

中国政府公認の三自愛国教会(国家管理下の教会)への参加を拒み、政治や共産党の指導に従わず信仰の自由を守る地下教会の代表格とされる錫安(シオン)教会(中国人信者による独立系のプロテスタント教会)では最近、牧師や信徒三十人以上が一斉に逮捕され、そのうち数十人が現在も広西チワン族自治区・北海市の拘置施設に拘束されている。

 

(左)ロサンゼルスの中国総領事館前で行われた抗議集会。プラカードには「十字架を壊すな」「キリスト教徒を解放せよ」「信仰と自由を守れ」などの訴えが掲げられている。
(右)錫安(シオン)教会の牧師や信徒が逮捕される現場、中国(映像より)

 

集会は厳かな雰囲気の中で行われ、参加者たちは「信仰無罪!」「宗教の中国化を拒否せよ!」「牧師と良心の囚人を釈放せよ!」と声を上げた。一方で、静かに祈りを捧げる人々の姿もあり、平和的ながら揺るがぬ信念を示した。参加者たちは、拘束された牧師や信徒の即時釈放と宗教弾圧の停止を求めた。

集会を主催したのは、海外で活動する反中共の民主化団体中国民主党(Democracy Party of China, CDP)。1998年に中国で結成を試みたが、同年に違法指定と弾圧を受け、現在はアメリカなど海外で活動している。人権や信教の自由を訴える在外の中国人活動家らが中心の団体である。

 

中共による宗教弾圧に抗議する集会の様子、2025年10月26日、ロサンゼルス(主催者提供)

 

中国民主党メンバーの易勇氏は「中共が進める『宗教の中国化』は、信仰を共産党の方針に合わせ、信者の心まで支配しようとするものだ」と批判。「信仰の光は必ず闇を照らし、世界は中国の信徒たちの声を聞くだろう」と呼びかけた。

主催者の一人でもある同党の周蘭英氏も「信仰は人を目覚めさせ、良心を取り戻させる。それこそが中共が最も恐れていることだ」「暴政は肉体を壊せても、信仰までは壊せないのだ」と語り、平和的な祈りさえ弾圧する中共の姿勢を非難した。

 

中共による宗教弾圧に抗議する集会の様子、2025年10月26日、ロサンゼルス(主催者提供)

 

同じ週、ワシントンではアメリカ非営利団体「共産主義受難者記念基金会(Victims of Communism Memorial Foundation)」が年次フォーラムを開催した。冷戦期に共産主義体制の犠牲となった人々を追悼し、自由と人権の尊重を訴える団体である。

このフォーラムで、前国際宗教自由大使のサム・ブラウンバック氏は「法輪功への迫害は最も残酷」と指摘。法輪功学習者への拷問や臓器摘出など、中共による非人道的行為を厳しく非難した。法輪功への弾圧は1999年から現在まで続き、四半世紀を超える。その間、数多くの信徒が拘束・拷問・失踪し、いまもなお迫害は止んでいない。

参加者が語ったように、信仰の光はどれほど深い闇の中でも消えることはない。祈りと良心の声は、いまも静かに世界へ広がり続けている。

 

前国際宗教自由大使のサム・ブラウンバック氏(NTDより)
李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!
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