高市首相 尖閣や邦人拘束などの懸案「率直に申し上げた」 習は握手時に表情硬く 日中首脳会談

2025/10/31 更新: 2025/11/05

31日夕方、高市早苗首相と中国共産党の党首・習近平による初めての対面での首脳会談が行われた。

日中首脳会談は約30分間行われた。昨年11月石破茂政権以来、約1年ぶりとなる。

会談では、両首脳が冒頭で握手をする際の表情が注目されていた。高市氏はやや微笑んでいた一方、習近平の表情はやや硬く、一言話すとすぐに報道陣の方に顔を向けてしまった。

両者は約10秒間握手を交わし、会話らしい会話はなかった。握手が終わると、習近平は高市氏に「ご着席ください」と硬い表情で案内した。

中共当局は日本の歴代首相の就任時に祝電を送るのが慣例だったが、高市首相の就任時には祝電を送らなかった。

中共の官製メディアも、高市氏が閣僚在任中にたびたび靖国神社を参拝し、憲法改正や自衛隊を「国防軍」へ改組することを訴えてきた点を取り上げ、外交・安全保障政策における対中強硬姿勢を警戒する論調が目立っていた。

日中首脳会談を終えた後、高市首相は記者団に対し、日中間で「懸案や意見の相違があるのは事実」と述べ、懸念について習近平に対し「率直に申し上げた」と明かした。

具体的には、沖縄県の尖閣諸島を含む東シナ海の問題やレアアースの輸出管理、邦人拘束、中国在留邦人の安全性の確保について直接伝えたという。また、日本産水産物や牛肉の輸入規制で前向きな対応を取るよう求めた。

そのほか、高市氏は「南シナ海、香港や新疆ウイグル自治区などの状況に関しても深刻な懸念を伝えた」と述べた。また、台湾についても「両岸関係が良好であることが非常に重要だ」と訴えたという。

懸案や懸念を伝えた際の習近平側の反応については、高市氏は「会談の内容に踏み込むこと」として明言を避けた。

両首脳は31日午前、アジア太平洋経済協力会議(APEC)の首脳会議を前に対面で挨拶を交わしている。

エポックタイムズ記者。日本の外交をはじめ、国内外の時事問題を中心に執筆しています。
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