アフガニスタン北部のバルフ州で11月3日未明、マグニチュード6.3の地震が発生し、少なくとも20人が死亡、320人が負傷した。政府と国際機関による救援活動が進むなか、被害の全容は依然として明らかになっていないが、今後の拡大も懸念されている。
アメリカ地質調査所(USGS)は、被害が広範に及ぶおそれがあるとして「オレンジ警報」を発出し、「重大な人的被害と大きな財産的損失が生じる可能性がある」と警告した。この規模の地震は通常、地域または国家レベルでの対応が必要とされる規模であるとしている。
アフガニスタンのタリバン政府のザビフラ・ムジャヒド首席報道官は、SNS「X」で、地震がバルフ州、サマンガン州、バグラン州に及び、多くの人命が失われ、多大な財産被害が発生したと述べ、犠牲者への哀悼の意を表した。政府は被災者支援のための救援活動を進めているという。
アフガニスタン国防省によると、首都カブールとマザリシャリフを結ぶ主要な山岳道路は、一時、落石により通行が遮断されたが、現在は復旧している。現地には救援隊と医療チームが派遣され、周辺地域で負傷者の救出と搬送にあたっている。

バルフ州の広報担当者ハジ・ザイド氏は、マザリシャリフの一部では歴史的建造物が損壊し、有名な「ブルーモスク(マザリシャリフ廟)」でも外壁の一部が崩れ落ちたものの、建物の構造自体は無事だったと説明した。SNS上では、現場の様子を撮影した映像が広く共有され、救助隊ががれきの中を捜索する様子や、犠牲者の遺体を運び出す場面が投稿されている。
国連アフガン支援ミッション(UNAMA)は、「この地震は数週間前に東部で発生した強震に続くものであり、現地調査と緊急支援をすでに開始している。被災したコミュニティと共にあり、必要な支援を提供していく」との声明を発表した。
アフガニスタンは二つの主要な活断層の交差部に位置する地震多発国であり、近年も大規模地震が繰り返し発生している。今年8月には東部で発生したM6.0の地震で2200人以上が死亡した。また、2023年10月のM6.3地震とその後の強い余震では少なくとも4千人が犠牲となった。低層のれんが造りや土壁造りの建物が多く、救援体制が十分でない地域も多いことから、被害の拡大が懸念されている。
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