ケーニグセグ(Koenigsegg)は、世界でも屈指の高級スーパーカーメーカーである。しかし、そのCEOは「スーパー」ではないトヨタ車で通勤しているという。一体なぜなのか。
「BUSAトゥデイ(11月8日付)」の報道によれば、スウェーデンの高性能スポーツカーメーカー・ケーニグセグは、独創的なスーパーカーで知られている。同社が手掛ける超高性能車の価格は驚くべきもので、モデルによって170万ドル(約2億6千万円)から365万ドル(約5億6千万円)に及ぶ。驚くべきことに、今年初めのInstagram投稿では、この高級ブランドのCEOであるクリスティアン・フォン・ケーニグセグ(Christian von Koenigsegg)氏が、トヨタ車で通勤している様子が紹介されていた。
トヨタは世界各地で人気の車種を数多く手掛けている。小型で耐久性の高いカローラ(Corolla)、実用的でパワフルなグランドハイランダー(Grand Highlander)、世界的なベストセラーであるRAV4などが代表的である。また、燃費に優れたハイブリッドカーのプリウス(Prius)や、走る楽しさを追求したスポーツカーのGRスープラ(GR Supra)などもラインナップしている。では、ケーニグセグCEOが愛用しているトヨタ車はどのモデルなのだろうか。

フォン・ケーニグセグ氏が日常の通勤に使っているのは、トヨタGRヤリスである。GRは「Gazoo Racing(ガズー・レーシング)」の略で、トヨタのモータースポーツ部門を意味する。この部門はさまざまなレースに参戦し、常にトヨタのエンジニアリングの極限に挑戦している。トヨタはアメリカ市場で3つのGazoo Racingモデル、すなわちGRスープラ、GR86、GRカローラを販売している。フォン・ケーニグセグ氏の愛車であるGRヤリスは、ヨーロッパ、アジア、日本、オーストラリア、ニュージーランドなど多くの地域で販売されている。一方、販売戦略の変更により、現在ヤリスはアメリカとカナダでは取り扱われていない。
自動車番組『Top Gear』によると、GRヤリスの価格は約4万2690ユーロ、米ドル換算で約4万6700ドル(約700万円)からである。つまり、巨額の資産と名門ブランドを率いるCEOが、5万ドル(約750万円)未満の車に乗っているということになる。このコンパクトハッチバックには一体どのような魅力があるのだろうか。なぜ彼はスーパーカーではなく、あえて「普通のクルマ」を選んでいるのか。

最新モデルのトヨタGRヤリスには、1.6リットル直列3気筒ターボエンジンが搭載されている。最高出力は280馬力、最大トルクは287ポンドフィートを誇る。一見、極端に高出力とは感じられないが、車重約1280キログラムという軽量ボディを考慮すれば、そのパフォーマンスは極めて高い。最高時速は約230キロメートル/h、0-60マイル(約0-96キロメートル/h)加速は約5.2秒とされている。
確かに、ケーニグセグのCEOなら、市販車のどんなモデルでも手に入れられる財力を持っているだろう。しかし、手頃な価格のコンパクトハッチながらGRヤリスは非常に俊敏で、個性的なデザインとサイズ感が運転の楽しさを際立たせている。こうした理由から、小型ターボ車をはじめとする日本車は、今もなお富裕層の間で高い支持を集めている。
トヨタが他社と一線を画すのは、優れた製造品質と新しいトレンドへの鋭い感度である。最も売れているのはカムリやRAV4など主流のセダンやSUVだが、トヨタは高性能車の分野においても決して引けを取らない。トヨタMR2、スープラ、トヨタ86などのモデルは、スポーツカー愛好家から根強い支持を得ている。
iSeeCars.comの調査によれば、耐久性の高い車種ランキング上位5車種は、すべてトヨタ車で占められている。
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